ニュース解説; イランの視点から見た恒久平和
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イランのザリーフ外務大臣
イランのザリーフ外務大臣が、恒久的平和に関する政府高官の会合に参加するため、アメリカ・ニューヨークを訪問しています。この会合は、世界の平和と安全に関する様々な見解が表明される絶好のチャンスとされています。
地域や世界における現状からは、恒久的な平和を実現させる上で真新しいアプローチが必要であることが分かります。このアプローチは、世界各地での対立のメカニズムにスポットを当て、平和と安全保障、そして発展と人権という国連の3原則を実現させるものでなければなりません。しかし、今なお次のような疑問が残っています。それは、世界各地で常に危機が発生し、平和が続かない原因は、国連憲章に明記された原則や目標への違反によるものなのか、それともこれらの問題の原因は、覇権主義国の行きすぎた行動にあるとすべきなのか、というものです。
今から300年近く前に、ドイツの哲学者カントは自らの著作において、恒久平和を実現するための前提条件として、他国に対する暴力や内政干渉の禁止などを提起しています。しかし、現代においても、国際的な危機や緊張の大部分は、日々高まるアメリカやこれに同盟する西側諸国の好戦主義的な政策に端を発しています。そうした政策の一部として、いわゆるイラクやアフガニスタンの占領、そして聖地ベイトルモガッダス・エルサレムを占領しているシオニスト政権イスラエルへの無条件の支持が指摘できます。シオニスト政権は、これまで半世紀以上にわたってパレスチナを占領し、500万人以上のパレスチナ人を祖国から追い出し、ガザ地区を封鎖してこの地区のパレスチナ人をあやめ、今や地域における恒久的な平和の確立を大きく妨害しています。チュニジア生まれで、フランスで死去した社会学者ガストン’・ブートゥールは、戦争と平和の定義づけにについて次のように述べています。
「平和とは、自らの国運を決定する権利のある人間のグループの状態、言い換えれば政治的に独立している状態を意味する」
世界の平和と安全の確立を阻んでいるこのほかの重要な原因として、各種の兵器を廃絶する条約が実施されず、特に核兵器を初めとした大量破壊兵器の存在を原因とした脅威の解消を目指す世界規模での努力が実を結んでいないことが挙げられます。また、そうした最も深刻な脅威にはテロも含まれます。近年における苦い経験から、一部の過激な国の政権や政府が、地域において自らの目的の達成のためにテロを道具として利用していることが判明しています。
イランは、人道的な価値観やイスラムの宗教的な教えに照らし、人類社会における戦争や対立の根源は拡張主義や覇権主義、相互間の人権侵害にあると見なし、また恒久平和の実現は諸国民の権利の尊重、暴力や理不尽な要求の自制、国際法規の遵守にかかっていると考えています。第68回国連総会において、イランのローハーニー大統領が提唱した「暴力や過激派の存在しない世界」というスローガンはこうした見解を示すものであり、実際に歓迎され、採択されているのです。