アメリカの中東支配の戦略
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イランのハータミー国防軍需大臣
イランのハータミー国防軍需大臣が、「現在、アメリカは中東地域で、2つの重要な計画を進めている。その目的は、地域の地図を崩すことだ」と語っています。
ハータミー大臣は、21日木曜、テヘランで開催された会合で、アメリカの地域における計画の詳細を説明し、「1916年のサイクスピコ協定は、西側によって地域に押し付けられた」と語りました。また、「敵は、搾取や支配を完成させるため、地域諸国を小国に分ける必要がある」としました。
2013年末、ニューヨークタイムズは、アラブの5カ国が、14の小国に分割されると報告しました。アメリカはこの数年、サウジアラビアなどの国の立場を利用し、地域に連立を作ることで、地域諸国を分割しようとしています。2001年のアメリカ同時多発テロ事件後のアフガニスタン攻撃、そしてその後のイラク攻撃は、単なる繰り返しに見えますが、この流れが示しているのは、アメリカが、地域を支配することによって、長期的な目的を追求している、ということです。地域の対立へのアメリカの関与、代理戦争の開始は、否定できない事実です。アメリカは、アルカイダなどのテロ組織を誕生させ、ISISを支援することで、地域を分割する計画を進めようとしています。
スーダンの分割、リビア攻撃、ISISの地域支配によるイラクとシリアの分割計画、サウジアラビアの協力によるイエメン戦争の開始、これらは、アメリカが地域の新たな安全保障体制を推し進めるための下地作りとして行われました。
民主主義の確立を口実にした政治的な構造の変化と地図の変更は、地域諸国の分割、情勢不安、アイデンティティの喪失につながります。そのため、イランのハータミー国防軍需大臣は、「一部の地域諸国は、自分たちはアメリカに近いため、地域の地図が変更されても、その影響を受けることはないと考えている」と語りました。
アメリカは、イギリスなどの同盟国と協力して、地域を分裂させようとしています。この流れの主な目的は、新たな状況の中で、アメリカが地域への影響力を拡大することです。言い換えれば、アメリカの目的は、シオニスト政権の安全を確保し、地域を支配することにあります。この中で、サウジアラビアなどの役割は、アメリカのトランプ大統領が語ったように、アメリカに奉仕することです。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、以前、イランの数百人の若いエリートらと会談した際、アメリカの地域における目的について、「アメリカの体制は、地域と世界の多くの戦争の元凶、独立諸国の人々の敵、世界のシオニストの危険なネットワークの代理人であり、他国からすべてを搾取しようとしている」と語りました。