西部ガズヴィーン 「西洋風の帽子」の館
(last modified Sat, 25 Jan 2020 14:08:19 GMT )
1月 25, 2020 23:08 Asia/Tokyo
  • 「西洋風の帽子」の館
    「西洋風の帽子」の館

イランの見所を動画でご紹介するドキュメンタリー・イラン。今回は、テヘラン州の西方にあるガズヴィーン州ガズヴィーン市の「西洋風の帽子」の館をご紹介してまいりましょう。

この美しい建物は、テヘラン州の西方に位置するガズヴィーン州ガズヴィーン市にあります。屋根の形が西洋風の帽子に似ていることから、ペルシャ語でそれを意味するコッラー・ファランギーと呼ばれています。

この建物は、今から500年ほど前のサファヴィー朝時代の名残りです。その当時、ペルシャ帝国の首都はここガズヴィーンにおかれていました。西洋風の帽子という名のついたこの建物は、総面積が500㎡ほどの美しい庭園の中にあり、最も有名な王朝建築の1つとされ、その歴史はサファヴィー朝のタフマースブ王の時代にまでさかのぼります。

また、建物そのものはイラン中部イスファハーンにあるハシュトベヘシュト宮殿(八天宮)に似ていて、2階建てでレンガと石材で建造されています。

建物の正面に設けられた大きなため池の水面に、建物の全体像が映って見える事から、その美しさが何倍にも増します。

この宮殿建築の中で最も美しいとされるのは、ドーム型の天井を持つ中央部の広間です。この建物はガージャール朝時代になって修復・再建工事が行われ、40本の柱を意味するチェヘルソトゥーンと名づけられました。

建物の格子窓や扉には、精巧なデザインの木工細工が施され、建物全体の美しさに花を添えています。この館にはイランで最も美しいとされる一連の芸術品が勢ぞろいしています。

この館の内部にある部屋や廊下は全て、壁画や金箔で装飾されています。中でも、特に際立っているのは化粧タイルや象嵌細工が施された扉です。この建物には、レンガ造りの入り口がいくつもありますが、その上には化粧タイルが施され、イランの伝統的な絵画や草花文様をあしらったデザインが見られます。

この建物は現在も博物館として一般に公開されています。そこでは、考古学や人類学、歴史などの分野毎に展示を見られるようになっています。

 

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