視点; イランがWHOに書簡 「米の制裁は人類に対する犯罪の最たるもの」
(last modified Sat, 04 Apr 2020 12:44:40 GMT )
4月 04, 2020 21:44 Asia/Tokyo
  • バガーイーハーマーネ・イラン政府代表
    バガーイーハーマーネ・イラン政府代表

「市民が医薬品や医療器材、医療サービスを利用できなくすることは、人類に対する犯罪の最たるものだ」

在スイス・ジュネーブ国際機関のバガーイーハーマーネ・イラン政府代表は3日金曜、WHO世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長に宛てた書簡において、「アメリカの制裁により、新型コロナウイルス対策に向けた必需品の購入を初め、イランと他国の間の銀行取引ルートが遮断されている」と訴えました。

同代表はまた、「現在は孤立ではなく、団結・結束の時だ」とした国連グテーレス事務総長の最近の表明を引用し、「一部の国が医薬品や医療機器を確保できるようにするために制裁の解除を」とした同事務総長の要請を強調しました。

ナマキー保健医療教育相

イランのナマキー保健医療教育相も2日木曜、テヘランで開催されたインターネットを介したWHO地域会合の傍ら、新型コロナウイルス対策には世界規模での連携や結束が必要であると強調し、「米の対イラン制裁は一種の大量殺戮と見なされる。世界レベルの保健衛生にとって深刻な脅威だ」と語りました。

ジュネーブ国際機関のバガーイーハーマーネ・イラン政府代表が指摘しているように、アメリカの制裁はイラン市民の健康や人命に計り知れない悪影響を及ぼしています。

国際司法裁判所の仮判決によれば、アメリカは必要な手段を取り、2018年5月8日以降に発効した医薬品や医療機器、農産物、旅客機用部品・機材および修理サービスの自由な輸出を妨げる命令のすべてを解除し、これらの物品・サービス関連の送金や金融取引に一切支障をきたすことのないよう義務付けています。

この仮判決の結果、アメリカは特に医薬品や医療器材など、人道分野の物品を制裁の対象外とする旨を表明しました。しかし、その表明に対してイランや国際機関、人権機関は異論を唱えており、大規模な批判を招いています。

 

国連の法律専門家 ALI Beman Eghbali. Zarech氏はこれに関して、「健康を維持する権利は、国際人権体制において最も基本的な権利の1つとみなされている」と語りました。

 

このため、市民にとって食品や医薬品、医療サービスやその他の基本的必需品の確保を妨げる経済制裁はすべて、人権への侵害行為とみなされることになります。

イランのザリーフ外相は先週、ロシア・モスクワ発行の新聞コメルサントに掲載された、『我々とではなく、ウイルスと闘え』と題する記事において、国際社会に向かって、アメリカによる経済、保健医療テロを止めさせるよう訴えました。

 

イランは、アメリカによる制裁や圧力に遭遇しながらも、国内に存在する可能性をよりどころにし、他に類を見ない抵抗と対応を見せています。しかし現在、新型コロナウイルスの拡散とともに、中国からアメリカ、ロシア、アフリカ、アジアなど全世界の人類が深刻な危機に晒されています。

このため、この危険なウイルスへの対処に向けた保健医療関連機材・可能性確保の必要性は、WHOの最優先計画に据えられています。この点からも、国連事務総長に宛てたイラン国連代表の書簡は、国際法規にそったものだと断言できるのです。

イランが国際社会に期待していることは、アメリカが続けるこの種の犯罪行為に反対の声をあげることであり、すなわちこれは国際的な責務の1つでもあるのです。

 

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