テヘラン西部ガズヴィーン州のアラムート城砦(日本語のナレーション付)
(last modified Sun, 31 May 2020 09:15:41 GMT )
May 31, 2020 18:15 Asia/Tokyo
  • ガズヴィーン州のアラムート城砦
    ガズヴィーン州のアラムート城砦

テヘラン西部・ガズヴィーン州には、アルボルズ山脈の間に位置するアラムート地区と呼ばれる地域があり、東西の2つの区域に分かれています。

この地域が名声を博しているのは、その美しい自然景観のほか、名所旧跡の存在によります。そうした名所旧跡の1つで、この地域はもとよりイラン国内でも随一とされているのが、アラムート城砦です。この城砦は、ガズヴィーン市内からおよそ100キロ離れたところにあり、12世紀ごろの人物で、シーア派のイスマーイール派から派生したニザール派の開祖とされるハサン・サッバーフの城砦とも言われています。

この城砦は海抜2162m、周辺の土地よりも200メートル高いところの岩の上にあり、この城砦全体の敷地面積は2万m2にも及ぶとされています。この城砦に入る唯一のルートは、その北東部側の突き当たりにあります。この城砦が現在名を馳せている理由は、ニザール派の開祖ハサン・サッバーフがここを拠点として軍事活動を行っていたことにあります。

この城砦そのものは、東側と西側の2つの部分で構成されており、高度がそれぞれ異なっています。この城砦を取り巻く壁は石膏モルタルと石でできています。また、城砦内部のいたるところには岩石をくりぬいて作った石室が多数存在し、これらは見張り番のスペースだったとされています。この城砦の特に興味深い点の1つは、城砦の壁そのものが天然の岩石の形状に合わせて造られていることから、壁の幅が場所によってまちまちであるというところです。長い歴史を通してこの城砦内に数多くの人々が居住し、また大量の水を必要としていたことから、この城砦の建設者が独自の技術をこらして、ここから遠く離れた場所の水を水路を使い、岩石の中央をくりぬいて作った貯水槽に引いていたことが判明しています。

この城砦が建設されたのは、今から1000年ほど前のアッバース朝政権の為政者アル・ムタワキルの治世だとされています。また、この城砦には、ワシの巣という異名もあります。

この地域の郷土土産には、キリムやジャージームなどと呼ばれる薄手の敷物、野営用テントなどがあり、これらは地元の女性たちの手作りによるものです。

字幕;「これは毛布として、嫁ぐ娘の嫁入り道具に渡します」

字幕;「これは、この地域の郷土料理の1つで、野菜や豆類を煮込んだ酸味のあるスープです。このスープにはひよこ豆とインゲン豆のほかにも、テンサイ、クルミ、アンズ、ニンニク、タマネギ、米、ジャガイモ、そしてメギの実の酢漬けと杏の酢漬けが使用されています。

 

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