イラン、「IAEA事務局長発言と核合意復活に関するロイター通信の記事の見出しは、紛らわしい」
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在オーストリア・ウィーン国際機関のガリーブアーバーディー・イラン代表
在オーストリア・ウィーン国際機関のガリーブアーバーディー・イラン代表が、「IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長は決して、核合意の復活に新たな合意が必要だとは表明していない」とし、「グロッシ事務局長の表明と核合意復活に関するロイター通信の記事の見出しは、悪戯的で紛らわしい」と語りました。
IRIB通信によりますと、ガリーブアーバーディー代表は18日金曜夜、グロッシ事務局長と会談したことを明らかにするとともに、「グロッシ事務局長はこの会談で私に対し、彼自身がロイター通信とのインタビューで新合意の必要性については全く言及しておらず、これに関するインタビュー内容も明白であり、その話の内容がIAEAの領分内のものだったと告げている」と述べています。
また、「グロッシ氏はロイター通信のインタビューで、核合意復活の場合のイランの措置を本来の状況に戻せるための必要な措置の実施に、IAEAの領分での1つの議定書や合意、あるいは文書が必要であることを述べている」としました。
さらに、結論として西側メディアの世論操作を非難するとともに、「ロイター通信などの西側メディアは、自らの独自の政治的方針を追求しており、それによってメディアとしてのあり方や専門性をも歪めている」と語っています。
ロイター通信は今月17日、グロッシ事務局長の表明として、「核合意の復活には、新合意への署名が必要だ」と報じていました。
イランは、2018年5月8日に行われたアメリカの違法かつ一方的な核合意離脱に伴い、この合意のそのほかの関係国による合意内責務履行を条件に核合意の維持に努めてきましたが、ヨーロッパ側は核合意存続に向けて約束した事柄を実施できていません。
こうした状況のもと、イランはアメリカの核合意離脱から1年となる2019年5月8日、この合意の第26条項と36条項に照らし、イランの権利と責務のバランスをとるため、同合意に定められている自らの責務履行を段階的に縮小してきました。
核合意の第26条項と36条項には、この合意の相手側がその責務を履行しなかった場合には、イランが自らの責務の一部または全部の履行を停止できることが明記されています。
イランは、同国に対する制裁が解除され、核合意による利益を得られるようになった場合には、自らの本来の責務の全履行に復帰する用意があることを表明しています。
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