視点
核合意内の合法的な要求を強調するイラン
欧米諸国は核合意におけるこれ以上ない約束不履行に出ている現在、イランから利権を獲得し、自ら離脱した合意を、対イラン新合意という名目で議題にしようという妄想に陥っています。
これに関連して、イランの核合意に署名したヨーロッパの3か国は12日金曜に共同声明を発表し、核合意の義務遵守問題について、またもやイランに疑惑を投げてきました。
これに対し、ザリーフ・イラン外相はツイッター上で英独仏3カ国による核合意内の責務不履行に触れ、次のように述べています。
「一体どのような論理に照らして、依然として核合意に違反し続けているアメリカが合意から離脱した1年間後に行ってきた補填措置をイランが停止する義務があるといえるのか?」
この点で、根本的な問題は、国連安保理によって承認された核合意運命がどうなったか、そして核合意の当事国が責務を履行し、別の合意に向けた余地が残されているか、ということです。
現実に、イランの要求は、米国の核合意復帰ではなく、制裁の解除および、欧米諸国の義務である、イラン国民の奪われた権利を取り戻すことです。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は最近、次のように述べています。
「米国が口頭または紙面上ではなく、実際にすべての制裁を解除し、その効果をイランが確認した場合、イランはその責務履行に復帰する。これはイランの明確で不可逆的な政策であり、すべての当局者が全会一致で承認しているもので、誰もこの政策を手放すことはない」
イランへの最大の圧力行使の目的が、核合意内の責務履行を引き換えとした利権の獲得にあることは、もはや疑いのない事実です。いかなる論理をもってしても、このような過剰な要求をどのような名目であれ受け入れられません。このシナリオでは、バイデン米新大統領は、イランの要求に応える代わりに、過去の過った道を歩み始めたことになります。今や、同じ過ちが繰り返された場合、米国が今後4年以内に再び核合意を破棄しないことは、果たして保障できるでしょうか?
政治評論家のアブドルバーリー・アトヴァーン氏は、次のように述べています。
「そもそも、核合意の哲学とは何か?核合意は、オバマ元米政権時代、すなわちバイデン氏が副大統領だった時代に合意成立したものである。このため、イランはアメリカに対し、合意の条件に従わなければならないのはあなた自身であり、自らの責務履行遵守をもってイランに対し、責務履行を求めるべきだと告げる次第である。そのような状況で、自分たちが同盟国と協議して新たな合意を求めること、イランのミサイル計画を止めさせること、イランに向かって地域の軍事組織への支援をやめるべきだと言うことはどういう意味があるのだろうか?アメリカはイランの手をすべてから切り離し、イランを強制的に降伏させたいだけである。それは、イラクのクウェート侵略後にイラクの独裁者サッダームに、あるいはリビアの元独裁者カダフィと他の人々に降伏を強要したのと同様である」
実際、米国および他の当事者の核合意不遵守に対する抗議として、イランは、核合意に定められた法的メカニズムに従って、義務の一部を削減しました。しかし、米国は誤算に基づいて、一方的に核合意から離脱し、解除されていた制裁を復活させ、虚偽の告発の下でイランに新たな制裁を課し、他の国にこれらの制裁実施を迫たのです。したがって、欧米諸国に残された唯一の論理的な方法は、核合意への復帰とその責務の遵守以外にない、といえるのです。
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