9月 15, 2021 20:55 Asia/Tokyo
  • イランでのワクチン接種
    イランでのワクチン接種

イランのエイノッラーヒー保健医療教育大臣が、「わが国は今週中にも新型コロナウイルス予防ワクチン接種回数の世界記録を破るだろう」と語りました。

現在、コロナワクチン接種の世界記録は、ドイツが保持している1週間当たり500万回です。

これまでにイランで接種が行われた回数の合計は、合計3800万回に達しており、国内でのワクチン製造の増加により、9月下旬までに5000万回に増えることが見込まれます。

イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、およそ1ヶ月前のテレビ演説において、コロナ対策を国家の第一の緊急課題だとし、「ワクチンは国内製・輸入のいかんを問わず、今後更なる尽力によりあらゆる形で確保され、すべての国民に行き渡る必要がある」と語りました。

イランでは、輸入の大幅な増加と同時に国内産ワクチンの確保が、プラスの成果を示しています。

担当当局は、「600万回から800万回分の生産能力を有する国産ワクチン「COVIran Barekat」(バラキャト)の2番目の生産ラインが、今後数日以内に操業を開始する」と表明しました。現時点では、この種のワクチン生産は1000万回分に達しており、これまでに国内ではスィーナージェン、ラーズィー、パスツール、ファフラー、そしてバラキャトの5種類の国内産ワクチンの生産が認可されています。

新型コロナウイルスの制御には、世界規模での連携や真剣な努力が必要とされます。しかし、世界でのワクチン生産に向けた数十ものプロジェクトが進展や成果を挙げているにもかかわず、医薬品市場で現在見られる独占は、すべての国の公平なワクチン確保を可能にするのか、という疑問が存在します。

ライースィー・イラン保健医療教育次官は、ジャアファル・ホセインWHO世界保健機関駐イラン代表との会談で、この問題を指摘するとともに、世界におけるワクチン差別の危険について警告を発しました。

また、「一部の国への渡航査証発給に際して米ファイザー、モデルナ、英アストラゼネカ、及び米ジョンソンエンドジョンソンのみを有効なワクチン接種として認める旨が発表されるのは、極めて危険である。一部の大国が犯しつつあるワクチン差別・アパルトヘイトは、これらのワクチンを生産するごく限られた数の企業だけに有利に作用し、決して世界の利益や諸国民の健康のためにはならない」と述べています。

インド起源のデルタ株コロナウイルスは、今や全世界において危機をもたらしており、世界各国、しかも国民の大多数が接種を済ませた国においても猛威をふるっています。WHOの予測では、世界は2022年までコロナ禍と格闘することになるとされ、その理由として集団免疫の獲得にはワクチン接種人口が全体の70%に至る必要がある一方で、同年までに世界の総人口のうち、ワクチン接種を受ける人の割合は40%にとどまることが指摘されています。

アメリカの新聞ワシントンタイムズはこれに関して、テドロス・アダノムWHO事務局長の発言を引用し、「世界へのコロナウイルスの急速な拡大と同時に、低所得国にはワクチン備蓄全体の0.3%しかいきわたっていない」と報じました。

コロナワクチンは今や戦略的製品と化していますが、WHOのモットーは「最初のワクチンが最良のワクチン」とされています。このモットーの実現のため、イランではワクチン製造に向けた価値ある調査研究・学術面での努力がなされており、これに関する補完措置が急ピッチで進められています。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

http://urmedium.com/c/japaneseradio

タグ