イラン外相、「善意があれば良好な合意に手が届く」
(last modified Thu, 02 Dec 2021 10:42:07 GMT )
12月 02, 2021 19:42 Asia/Tokyo
  • アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相
    アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相

アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、「わが国の代表団は、オーストリア・ウィーンにて、論理的かつ結果優先の協議を追求している」とし、「西側が善意を示せば、良好な合意に手が届く」と語りました。

アミールアブドッラーヒヤーン外相は1日水曜夜、ツイッターで「核合意復活を目指すウィーン協議は、各種制裁の解除を基本的な優先事項に据え、真剣に進捗している」と述べています。

イランおよび5カ国グループ(英独仏中ロ)の代表者らは先月29日、ウィーンにて核合意合同委員会の協議の新ラウンドを開始しました。

イラン代表団を率いるバーゲリーキャニー外務次官は2日木曜、「イランはウィーンにて、5カ国グループに対し核問題や圧政的な制裁解除という2つの枠組みでの自らの提案書を渡してある」と語っています。

またこれに先立ち、協議に向けた実践的な用意や合意成立に向けた真剣な意志があることを明らかにしていました。

核合意とは?

核合意は、正式名称をJCPOA「包括的共同行動計画」と称し、2015年7月にイランとその相手側の6カ国グループ(国連安保理常任理事国にドイツを加えた国々)の間で成立し、2016年1月から実施されている多国間国際合意です。

この合意の主な内容は、イランが濃縮ウランや遠心分離機を大幅に削減し、これをIAEA国際原子力機関が確認した後、その見返りとして対イラン経済制裁を段階的に解除する、とされていますす。

しかし、ドナルド・トランプ米前大統領は2018年5月、この国際合意に一方的に違反し、この合意内におけるアメリカの参加を打ち切って、イラン国民に対する最大限の圧力行使を目的に、経済テロを実施しました。

イランは、アメリカのこうした一方的な核合意離脱に伴い、この合意に残留したそのほかの相手国の責務実施を条件に、核合意の維持存続に努めてきました。しかし、ヨーロッパ諸国は、この合意の維持に向けて約束していた現実的な措置の実施において、全く成果を挙げることはできませんでした。

このような状況の中で、イランは2019年5月8日、米国の核合意離脱から満1年の節目にあたり、核合意の第26条と36条に基づき、イランの義務と権利のバランスをとるためにこの合意内の責務履行の段階的な縮小に踏み切ると発表しました。

核合意の第26条と36条によれば、この合意の相手国がその責務を遵守・実施しない場合にはイランは自らの権利と義務のバランスをとるべく、自らの責務履行を段階的に縮小する権利を有しています。

バイデン米現政権の関係者らはこの数ヶ月間、イランに対する最大限の圧力行使政策の失敗を繰り返し認めており、アメリカを核合意に復帰させる意思があると表明していますが、これまでそれに必要な措置の実施を渋っています。

イランは、責任を受容する国としてこれまでに何度も、核合意に違反した側がアメリカであることから、制裁解除により核合意に復帰すべきはアメリカであり、さらにアメリカによる責務履行状況が検証確認されるべきことを強調しています。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

http://urmedium.com/c/japaneseradio