イラン最高指導者とシリア大統領の会談
(last modified Mon, 09 May 2022 07:05:17 GMT )
May 09, 2022 16:05 Asia/Tokyo

イランイスラム革命最高指導者のアリー・ハーメネイー師が、シリアのアサド大統領およびその随行団との会談において、「シリアの体制と国民の抵抗、そして1つの国際戦争における勝利が、シリアの威信や栄誉を増す下地となった」と語りました。

テヘランを訪問中のアサド大統領は8日日曜午前、ハーメネイー師およびライースィー・イラン大統領と会談しています。

ハーメネイー師はこの会談で、政治・軍事の現場におけるシリアの大いなる成功に触れ、「今日のシリアは、もはや戦争前のシリアではない。戦争前の当時、確かに廃墟はなかったが、その時と比べて現在のシリアは、国の威信や他者からの表敬がはるかに増しており、全ての人々がシリアを一大大国とみなしている」と述べています。

また、「今日、シリアの大統領と国民は地域の諸国民を前に、誇り高き威風堂々とした立場を築いている」と強調し、「我々の隣国たる地域諸国の首脳の一部は、シオニスト政権イスラエルの指導者らと語らい背信して、彼らと和気藹々とやっている。だが、そのような国々の人々が、いざパレスチナ人との連帯を示す世界ゴッツの日となると、大勢で街頭を埋め尽くし、反シオニズム・スローガンを連呼する、というのが、現在の地域諸国の実情である」としました。

一方のアサド大統領も、イランの政府と国民の立場表明や支持に謝意を示し、またテロとの戦いで功績を上げた故ソレイマーニー司令官を追憶するとともに、「特にパレスチナ問題をはじめとする地域の諸問題に対し、イランが過去40年間にわたり恒常的に首尾一貫した立場を貫き、抵抗してきたことは、地域全体の諸国民に対し、イランの進んでいる道が正当で本来あるべきものだということを示して見せた」としています。

そして、「戦争で生じた廃墟は復興再建できるが、基本原則や基盤が消滅すれば、それは再建できない。イランイスラム共和国の建国者たるホメイニー師の掲げた原則や基本理念に基づくイラン国民の抵抗は、現在では貴殿・ハーメネイー師の主導により継続されており、それは特にイランや、パレスチナを初めとする地域諸国の偉大なる勝利の下地となった」と語りました。

シリアが複数のタクフィール派テロ組織との戦争に突入した2011年以来、シリア大統領がイランを訪問するのはこれが2回目となります。ちなみに、1回目は2019年2月25日のことで、これはイラン、ロシア、シリアという三国連合がタクフィール派テロリストの弾圧に成功し、シリアに相対的な平穏が確立した後のことでした。

シリアはその地政学的な位置づけを理由に、2011年1月よりタクフィール派テロリストらの侵略を受けてきました。一方、イランは西アジアにおける安定や安全保障の拠点として、軍事顧問という形を含めたさまざまな支援により、アメリカとシオニスト政権イスラエル、および抵抗軍の敵が育成したテロリストらとの戦争において、シリアの体制と国民への助力・支援に努めてきました。

イランは、地域諸国の多くの参加により引き起こされた対シリア全面戦争や外部勢力の侵略への対抗において、シリアの勝利に中軸的な役割を果たしました。シリアの民兵組織や政府軍の傍らには、イラン人軍事顧問のほか、今は亡きイランイスラム革命防衛隊ゴッツ部隊の故ソレイマーニー司令官といった人物による指導・司令がつき、最終的にシリアはテロリストや敵に対する抵抗を全うしています。

イランの視点から見て、シリアの安定と治安の維持および、同国が地域的なバランスの中にしっかり存在することは、きわめて重要とみなされています。シリアは反シオニスト的アプローチにおいて、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムの占領者に対する抵抗の最前線にあります。このためイランとシリアは、アラブ・イスラム諸国の対イスラエル関係正常化への反対という、共通の見解を有しています。

シリア大統領はこれについて、イラン最高指導者との会談において、「シオニスト政権イスラエルによる地域への支配を阻止した要因は、シリアとイランの戦略的な関係であり、この関係を今後ともしっかりと継続していく必要がある」と語りました。

 


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