イラン原子力庁長官、「IAEAの主張はイランの敵による諜報活動報告が根拠」
イラン原子力庁のエスラーミー長官がIAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長の発言について言及し、「IAEAは、シオニスト政権イスラエルを筆頭とするイランの敵が行った諜報活動による報告を根拠に、物事を語っている」と述べました。
イランに関する内容を中心議題とするIAEA理事会会合は、6日月曜にIAEA本部のあるオーストリア・ウィーンで始まりました。
その中でIAEAのグロッシ事務局長は、理事国に向けた演説を行い、「イランは、未申告の国内施設3カ所に関しIAEAが入手した情報について、技術的な説明を行っていない」と主張しました。
このような状況の中、エスラーミー原子力庁長官は同日、カタール衛星通信アルジャジーラとのインタビューで、「イランは、IAEAからの質問に対するこれまでの回答において、正確さを貫いている」と述べました。
続けて、世界全体のエネルギーにおけるイランの割合は3%であるものの、IAEA査察活動の25%はイランで行われていることを指摘して、「IAEAが監視カメラ映像を入手できるかは、ウィーン協議での合意次第である。イラン側は、他の当事国による核合意の全条項の順守に合わせて、自国の責務遵守を実施する準備ができている」と説明しました。
そして、IAEA理事会への共同決議案提出という、アメリカおよびドイツ、イギリス、フランスのヨーロッパ3か国の動きに言及し、「一部の者たちがIAEA理事会へ提出を試みた決議案は、新たな状況を作り出すことはない。IAEAは、組織内部における政治の浸透を押し留め、己の規範への遵守に立ち返るべきである」と指摘しました。
そのうえで、IAEAがイランの施設への攻撃について非難を表明していないことに触れ、この行動には大きな疑問符が付くとし、「核兵器は、イランの戦略においてその位置づけがない。主張されている内容は、ただの利己的な誹謗中傷である」としました。
アメリカとヨーロッパ3か国はこれに先立ち、IAEA理事会に提出した共同決議案において、「(イランの)未申告の施設で見つかったウラン粒子に関連する問題が解決されていないことは、大きな懸念材料である」と主張していました。