松野官房長官、「台湾をめぐる問題の平和的解決を期待」
(last modified Wed, 03 Aug 2022 11:05:32 GMT )
8月 03, 2022 20:05 Asia/Tokyo
  • 日本の松野博一官房長官
    日本の松野博一官房長官

日本の松野博一官房長官が、中国側が発表した一連の軍事活動への懸念を示すとともに、台湾をめぐる問題の平和的な解決を期待すると述べました。

日本の報道各社によりますと、松野官房長官は3日水曜に記者会見を行い、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、中国側が発表した一連の軍事活動について懸念を有しており、台湾をめぐる問題が平和的に解決されることを期待すると述べています。

3日水曜の会見で、「中国軍が台湾周辺で演習を実施するなど軍事的緊張が高まっているが日本政府としてどう受け止めるか」との記者の質疑に対し、「台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要である」とし、「台湾をめぐる問題が、対話により平和的に解決されることを期待する」と答えました。

その上で、「中国側が発表した一連の軍事活動については、我が国として懸念を有しており、改めて両岸問題の平和的な解決を強く促したい」との考えを示しています。

また、「中国側が4日正午から行う軍事演習の対象地域として発表した海域には、我が国のEEZ(排他的経済水域)が含まれている」と指摘し、「実弾射撃訓練という軍事活動の内容も踏まえ、我が国から中国側に対して懸念を表明した」と明らかにしました。

なお、ペロシ下院議長の訪台を日本政府として支持するかとの質疑に対しては「日本政府としてコメントする立場にない」と述べています。

日本と台湾は、1972 年に国交を樹立して以来、緊密な経済関係を築いています。

ペロシ下院議長を乗せた米政府専用機は2日夜、台湾・台北市内の松山空港へ着陸しました。米国下院議長の台湾訪問は1997年以来初めてのことです。

ペロシ下院議長のこの台湾訪問は、米中間に新たな緊張を引き起こした形となりました。

中国は、同国人民開放軍がこのアメリカの行動に断固として対処すると繰り返し警告してきています。

ペロシ下院議長の台湾訪問を受け、中国外務省は「断固として反対する」とする抗議声明を発表しました。

中国軍は3日未明にかけて、台湾周辺で空域にて軍事演習を行っているほか、4~7日にも台湾周辺の6つ海域で演習を行うと発表するなど、対抗措置を強めています。

中国は、台湾を自らの不可分の領土の一部とみなしており、常に他国政府関係者による台湾訪問や直接交流を、「1つの中国」の原則に反するものとみなしています。

 


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