日本防衛省が、23年度予算要求に長射程ミサイルの量産費用を盛り込む
8月 31, 2022 18:04 Asia/Tokyo
日本の防衛省が、2023年度予算の概算要求に長射程ミサイルの量産費用を盛り込んだことが判明しました。
防衛省は陸上自衛隊が運用する「12式地対艦誘導弾」の射程を伸ばした能力向上型の開発を進めており、このうち地上発射型については量産を開始する。当初2026年度ごろから始めるとしていた計画を前倒しする見通しです。
日本政府は年末の国家安全保障戦略などの3文書改定に向けた議論の中で、自衛のために敵のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」保有の是非を判断します。
保有を決めた場合、地上目標の攻撃も一定程度可能な12式SSM改良型は有力な手段の一つとなり、12式SSM改良型は艦艇・航空機から発射するものと合わせて、開発費計272億円を計上しています。
31日水曜に発表されたこの概算要求額は過去最大の5兆5947億円に及んでいます。
今年度の当初予算から1.1%増額となる上、長射程ミサイルをはじめ予算額を明示しない「事項要求」を数多く盛り込んでおり、年末の政府決定に向けて額はさらに増える見込みです。
政府は年末までに来年度予算の決定に加え、国家安全保障戦略と防衛大綱の見直し、今後5年間の防衛力整備計画を決めることになっています。
ロシアがウクライナ特殊軍事作戦を開始し、台湾情勢も緊迫する中、岸田政権は防衛力の抜本的増強と防衛費の確保を国際社会に表明する一方、「内容と予算と財源を3点セットで考える」としており、国債発行から増税、政府支出の効率化まで、あらゆる選択肢が俎上(そじょう)に上ると見られています。