9月 28, 2022 17:26 Asia/Tokyo
  • 東京電力福島第1原子力発電所
    東京電力福島第1原子力発電所

韓国政府がIAEA国際原子力機関総会で、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出計画に対する徹底的な検証を要請しました。

第66回IAEA年次総会は加盟国の参加により、オーストリア・ウィーンで開幕しています。

韓国ヨンハプ通信によりますと、同国の科学技術情報通信省のオ・テソク第1次官は現地時間の27日火曜、IAEA総会に韓国代表として出席し、「日本政府が福島原発汚染水の海洋放出を計画している」と指摘し、「原発事故による汚染水の海洋放出は歴史上初めてのことで、日本は国際社会に対しその過程を透明に説明すべきだ。これまでわれわれは繰り返し懸念を伝えた」と述べました。

また、汚染水の処理過程は国際法規・基準を満たすべきであり、適切に公開されなければならないとし、「IAEAが主導的かつ客観的な立場で汚染水処理計画全般を徹敵的に検証し、日本に最も隣接した韓国も検証に参加できることを期待する」と訴えています。

一方、福島原発の処理水の海洋放出計画に関し、オ・ソテク氏は「日本は汚染水を科学的、客観的な観点から安全かつ国際法と国際基準に合致するやり方で処分すべきだ」とし、「(IAEAが)今後も汚染水処分の全プロセスにわたり独立的、客観的な見地から積極的な役割を果たすよう期待する」と述べました。

オ・ソテク氏はまたグロッシIAEA事務局長との会談でも、IAEAが福島原発の処理水放出に関して計画している検証活動に韓国が継続的に参加することが重要だとの立場を伝え、グロッシ氏も韓国の立場に全面的に同意すると応じたということです。

処理水を保管するタンクが敷地を大きく占有し、今後の福島第一原発の廃炉作業に必要な敷地の確保が難しくなっていることを踏まえ、日本政府は2021年4月、2年程度の準備期間を経て処理水を海洋放出する方針を決定しました。

しかし、処理水の海洋放出については日本国内の世論調査でも風評被害などを理由とした反対派が過半数を占めており、こうした中で日本政府が今後どのように行動するかが注目されます。

 


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