米軍嘉手納基地のF15常駐機が退役、当面F22の巡回で対応
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米軍嘉手納基地のF15常駐機
米空軍嘉手納基地のF15戦闘機計48機が老朽化に伴い常駐が見直され、11月初旬から2年かけて順次退役することが分かりました。
沖縄タイムが同基地に取材したところによりますと、米空軍は、米国内のF22戦闘機を常駐ではなく半年単位の巡回配備で対応する方針であり、専門家からは台湾有事や尖閣諸島を巡る不測の事態が危ぶまれる中、中国に対する抑止力の低下に懸念の声も出ています。
F22の一部はロシアのウクライナ侵攻でポーランドに展開しており、長期的な見通しは確定していません。
米空軍は昨年5月に連邦議会に提出した予算要求書で、「F15は構造上の問題があり、2023年から27年にかけて安全に飛行できる時間を使い果たす」と報告し、48機の退役を承認するよう要請しており、これを受け、米議会は昨年12月に成立した22会計年度(21年10月~22年9月)国防権限法で承認していましたが、退役対象機の所属基地名などは明らかにされていませんでした。
空軍は、最新型のF15EXとの入れ替えを希望していますが、長期計画は確定していないということです。関係者によれば、米国防総省は20~24年度にF15EXを80機調達する予定で、この中から嘉手納基地に配備する可能性もあります。
上院軍事委員会は28日、本紙に対し、空軍側から嘉手納所属機の機体整備面の問題に関する報告を受けていたことなどを明らかにしました。
嘉手納基地の21年度離着陸回数は外来機も含め計4万1997回で、このうち所属するF15戦闘機が全体の3割を占める1万2952回となっています。
巡回配備で常駐機の離着陸が減ることが見込まれる一方、外来機の飛来が増えることや、騒音が激しいF22の訓練による住民生活への影響が懸念されています。