辺野古埋め立て承認訴訟、最高裁が沖縄県の訴え棄却
(last modified Thu, 08 Dec 2022 11:26:17 GMT )
12月 08, 2022 20:26 Asia/Tokyo
  • 米軍普天間基地
    米軍普天間基地

米軍普天間基地の辺野古移設工事をめぐり、沖縄県が県による埋め立て承認撤回を国交相が取り消した裁決は違法だとして訴えていた裁判で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は8日午後、県の上告を棄却する判決を言い渡しました。これで県の敗訴が確定しました。

沖縄タイムスによりますと、判決は5人の裁判官の全員一致によるものでした。

普天間基地の辺野古沖移設工事については、2013年12月、当時の仲井真弘多知事が埋め立てを承認。その後、埋め立て予定海域に軟弱地盤が見つかったことなどを受け、県は18年8月に承認を撤回しました。これに対し、沖縄防衛局は、本来は国民の権利救済を目的とした行政不服審査制度を使って審査請求を行い、国交相は19年4月に県の撤回を取り消す裁決をしました。

沖縄県はこの取り消し裁決を行政事件訴訟法違反として訴えを起こしましたが、20年11月の那覇地裁での一審判決は、県の訴えについて「自己の利益や権利保護を求めるものではない」とし、裁決の適法性には踏み込まず、裁判所の審理対象にならないとしました。昨年12月の二審の福岡高裁判決も県に原告となる資格がないとし、一審判決を支持しました。

 

沖縄県はこの裁決について、地方自治法に基づく訴訟も起こしており、こちらは20年3月に最高裁で県側の敗訴が確定しています。

今回の判決で、一連の埋め立て承認撤回をめぐる訴訟は終結することになります。

琉球新報によりますと、沖縄県の玉城デニー知事は今回の判決について、「地方自治体と国は上級、下級の関係にあると言わんばかりの判断をしたものであり、地方自治の観点からも問題があると言わざるを得ない」と強く批判しました。

玉城知事は、国の裁決による処分について「沖縄県の問題に限らず、全国の地方自治体で起こりうる問題だ」と指摘し、「わが国の地方自治を守るために、沖縄県として何ができるのか。この判決内容を精査する」と述べました。

なお辺野古移設工事をめぐっては、県はこれ以外にも3件の訴訟を国を相手取って起こしており、県と国の法廷闘争はこれからも続きます。

 


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