銚子電鉄が6年ぶり黒字、ぬれ煎餅など副業好調
銚子電鉄の2021年度決済が、6年ぶりに黒字となりました。
銚子電鉄(銚子市)の株主総会が30日に市内で開かれ、2021年度決算が承認され、純利益は21万円で、前期の741万円の赤字から黒字転換を達成しました。
黒字は15年度以来6期ぶりのことで、メディア露出や交流サイト(SNS)で話題を集めたぬれ煎餅(せんべい)やスナック菓子「まずい棒」の販売など、鉄道事業を支える副業が好調だったことが大きく影響しています。
同社によりますと、鉄道部門は、売上高が前年比1・2%減の7764万円、輸送人員は同8・6%増の29万6千人でした。
年間35万人ほどだった新型コロナ禍前にはおよばないものの、年度末には団体の問い合わせが増えるなど、回復の兆しが見えてきたということです。
また、ぬれ煎餅やスナック菓子「まずい棒」など食品販売を主とする副業部門は、売上高が同13・3%増の4億5066万円となり、営業損益は9606万円の黒字となりました。
また、総売上高は同10・9%増の5億2830万円、営業損益は6422万円の赤字で、赤字幅は前期の8831万円から縮小しました。
さらに、営業外収益は観光庁からの約2500万円の補助金を含め7826万円を計上し、税引き後の純利益は21万円3千円の黒字となっています。
久々の黒字決算について、竹本勝紀社長は「金額が僅少で借入金もあり、まだまだ会社の財政は問題があるが、一歩一歩実績を積み上げることで経営の安定化を図りたい」と述べました。
さらに「コロナも落ち着きつつある中で、多くのお客さまに乗ってもらい最大限おもてなしをしたい。そして100年近く支えてくれている地域の皆さんに恩返しをしたい」と抱負を語っています。
銚子電鉄は、1923年開業の銚子鉄道が前身で銚子市内6・4キロを運行しており、来年2023年には開業100年を迎えます。