OPECプラスの減産、日本が最も大きな影響受ける可能性
OPEC石油輸出国機構加盟国やロシアなどその他の産油国でつくるOPECプラスの諸国が、石油の自主的な追加減産を発表したことで、日本がその最も大きな影響を受ける可能性が浮上しています。
OPECプラスの減産決定を受けて市場では先行き不安が渦巻いており、年末には1バレル100ドルまで値上がりするのとの観測も一部であがっています。
こうした傾向について、日本の松野博一官房長官は「需給のタイト化や不透明さが増し、原油価格の高止まりにもつながりかねないと考えている」と危機感をあらわにしました。
トルコ紙「Dunya」が専門家の分析をもとに報じたところによりますと、1バレル100ドルになった場合、もっとも影響を受けるのは日本、インド、ドイツ、フランス、韓国の5カ国だとされています。
またその理由として「石油供給の削減とそれに伴う原油価格の上昇によって最も影響を受ける地域は輸入依存度が高く、一次エネルギーにおける化石燃料の割合が高い地域である」と指摘されています。
資源エネルギー庁によると、日本のエネルギー自給率は2019年の時点で12.1パーセントに過ぎず、同国は必要なエネルギーのほとんどを外国からの輸入に頼っているのが現状です。
日本では原発の再稼働が思うように進まないなか、再生エネルギーの導入も欧州の環境先進国に比べると遅れが指摘されており、おのずと化石燃料比率はあがってくることになります。
このほか、アルゼンチン、トルコ、南アフリカ、パキスタン、スリランカなど、石油輸入をサポートするだけの外貨準備が少ない国も間接的に影響を受けるとしています。一方、同紙の予測では値上がりは一時的なもので、長期的には1バレル80ドル~90ドルの間で推移するとされています。
ロシアを含むOPECプラス諸国は今月2日、今年5月から年末まで自主的な減産を行うと発表しました。
ロシアとサウジアラビアは日量50万バレル減産するほか、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、アルジェリア、オマーンなども、それぞれ日量4~21万バレル減産することになっています。