2022年における世界の軍事費は過去最高、アジア首位は日本と中国
2022年の世界の軍事費が過去最高を記録し、アジアの首位は日本と中国だったことが明らかになりました。
報道各社によりますと、スウェーデンのSIPRIストックホルム国際平和研究所は24日月曜、2022年における世界の軍事費は実質ベースで3.7%増加し、過去最高の2兆2240億ドル(約298兆円)に達したと発表しました。
このうち、首位の座を維持している米国の軍事費は8870億ドル(約119兆円)、中国の軍事費は2021年より4.2%多い2920億ドルとなっています。
また同研究所の報告書では、最も軍事費が増加した地域は欧州大陸で、アジア地域における軍事費トップは日本および中国となっています。
軍事ランキング10位の日本の防衛費は中国よりはるかに低いものの、5.9%増の460億ドル(GDP比1.1%)で、これは日本の防衛費としては1960年以来で最大となっています。
SIPRIのアナリストは、日本政府が2022年、軍事力を高める野心的な計画である新たな国家安全保障戦略を採択した点を指摘しており、同研究所で軍事費と武器生産プログラムについて研究するシャオ・リン氏は、「日本が戦後、軍事費軍事力に課していた制限は、緩和されたようだ」とコメントしました。
SIPRIは、世界の軍事費の増加はロシアとウクライナがこの領域で支出を増やしたことによると説明しているほか、ロシアの軍事費は9.2%増加し、864億ドル(約11兆6000億円)に達したと推定しています。
一方でウクライナの軍事費は、640%増加し440億ドル(約5兆9100億円)に達し、国としては1949年以降で最も高い伸び率を示しました。
紛争を背景に、欧州、アジア、オセアニアの多くの国も軍事予算の見直しを決定しており、特に欧州の軍事費は13%増の4800億ドル(約64兆4800億円)に達し、過去30年間で最も高い伸びとなりました。