日本、「中国と韓国は放射性物質汚染水を放出」
-
福島原発処理水
日本政府が、中国と韓国が放射性物質とされる高濃度のトリチウムによる汚染水を放出したと主張しました。
日本政府は、近隣の中国や韓国が福島原発処理水の放出に関して、非科学的な批判を繰り返し政治的に利用しているとし、「中韓には、放射性物質トリチウムの年間排出量が福島第1の6倍を超える原発もある」としています。
2011年の東日本大震災による福島原発事故に関する2年間の調査を経て、IAEA国際原子力機関は最近、国際基準に合致しているとして、日本政府による数百万トンの処理水の海洋放出を許可した形となりました。
共同通信によりますと、松野官房長官は6日木曜の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出計画を巡り、放射性物質トリチウムの年間放出量は中韓両国を含む海外の多くの原子力関連施設と比べて低い水準にあると説明しています。また経産省の発表では、海洋放出に関しトリチウムの年間放出量は22兆ベクレル未満を予定しているということです。
経産省はまた、「中国では秦山第3原発が約143兆ベクレルと福島第1が予定する6・5倍、陽江原発は5倍、紅沿河原発は4倍となっているほか、韓国でも月城原発が3・2倍、古里原発が2・2倍に上る」としています。
これらのデータは経産省が海外向けに開設したサイトにも盛り込まれています。日本政府は諸外国から求めがあれば説明の機会も設けてきており、今年5月には韓国政府が派遣した専門家が福島第1を視察しました。
なお、今回の問題について、西村康稔経産相は今月4日、グロッシIAEA事務局長に対し、「海洋放出の安全性について、国際社会に対してもしっかりと透明性をもって情報発信していきたい」と伝えています。