重油流出事故をめぐり、日本がモーリシャスを支援
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茂木外相とモーリシャスのジャグナット首相
日本の茂木外相は7日月曜、モーリシャスのジャグナット首相と電話会談し、7月末に日本の貨物船「わかしお」がモーリシャス沖で座礁した事故をめぐり、日本政府としてモーリシャスを支援する考えを伝えました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、日本は、「事故再発防止のための海上航行安全システム、油流出事故に関する初動体制の強化等への協力」、「汚染された環境の回復のためのマングローブ林保全・再生の専門家派遣、サンゴ礁等の環境モニタリング、生態系の再生等への協力」、「地域住民、特に零細漁業者の生計回復のための漁業関連資機材の提供や沿岸漁業振興協力」などについてモーリシャスとの協力を進めていく考えを示しました。
さらに、モーリシャス経済の回復・発展を後押しするための協力を検討したい旨や、貿易投資セミナーの開催や観光・貿易を促進するための官民合同ミッションの派遣などでも協力する意向を伝えたということです。
また、今月2日には、「わかしお」から流出した重油の回収を支援する国際緊急援助隊の専門家チーム第3陣が日本から出発しています。
ジャグナット首相は今回の事故について、日本の責任とは考えていないとし、国際緊急援助隊の派遣などの協力に対して感謝の意を示しました。
一方で、南アフリカのニュースサイト「インディペンデント・オンライン」は2日、モーリシャス当局の公式書簡を引用し、モーリシャス当局が日本に対し、重油流出で被害を受けた漁師たちに約3400万ドルを支払うよう求めたと報じました。
約4000トンの油を積んだ貨物船「わかしお」は7月25日、自然保護区「ブルーベイ」にも近いモーリシャス沖で座礁しました。8月5日には亀裂から約1000トンの重油が流出していることが確認され、モーリシャス政府は翌6日、環境非常事態を宣言しました。
モーリシャスの環境保護団体「モーリシャス野生生物基金」は、自然環境の回復には数十年かかる可能性があるとの危機感を示しています。
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