女性宰相誕生の遠い道のり、日本の政治はいまも男の世界
菅官房長官が終始リードして終わった14日月曜の自民党総裁選では、今回も壇上に女性議員の姿はありませんでした。
ロイター通信は、14日の自民党総裁選について、過去、事実上の首相を決めるこの選挙に立候補した自民党の女性議員は小池百合子・現都知事のみで、出馬に意欲を示していた野田聖子元総務相も、稲田朋美幹事長代行も、最終的に手を挙げることはなかった、と報じました。
野田氏が今回の総裁選への出馬を見送ったのは、安倍晋三首相の体調不良による辞任を受けた突然の出来事だったことと、正規の選出手続きが踏まれなかったことが理由だということです。
ロイター通信は、野田氏の立候補のネックになっているのは、推薦人の確保など、男性が作り上げた既存の制度だけではなく、女性がハードルになることも少なくない、としています。
野田氏は、ガラスの天井を感じるかというロイターの質問に、「天井は開いているんだけど、足を引っ張る人たちがいっぱいいる。ときにスカートはいた女の人たちも」と答え、「天井にぶつかっているというよりは、昇っていく途中で引きずり降ろされている感じ」と語りました。
もし首相になったら何をしたいかの問いに対し野田氏は、「閣僚の半分を女性にする。民間の女性も活用し、まず見た目を変えること。そこからまず始められるかな」と即答しました。
自民党の稲田朋美幹事長代行はロイターに、「日本の場合、女性がいない民主主義と言われるくらい政治の世界に女性が少ない」と語りました。稲田氏も、今回の総裁選に立候補することを締め切り直前まで模索していましたが、最終的に菅氏への支持を決めています。
稲田氏は「まだまだ日本には政治は男がやるものという意識が大きい。女性が大挙して同じ意見を言うと、感情的だとか、良い意見を言っていても割り引いて取られているなと感じる」と述べました。
2020年8月の列国議会同盟の調査によりますと、日本の衆院での女性議員の割合は9.9%と世界193カ国中167位、世界の平均は25.2%でした。
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