野村総研エコノミスト、「東京の緊急事態宣言で五輪経済効果の6割相殺」
7月 08, 2021 19:16 Asia/Tokyo
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストが、「東京都と沖縄県への緊急事態宣言の発令・延長による経済損失は1兆円を超える」との試算を公表しました。
ロイター通信が8日木曜、東京から報じたところによりますと、元日銀審議委員だった木内氏は同日、無観客で東京五輪大会が開催された場合の経済効果の約62%が失われることなる、との見方を示しています。
木内氏の話では、東京都への宣言による経済損失は約9820億円、沖縄県は約450億円で、合計1兆0260億円程度となり、年間GDPの0.19%に相当する、ということです。
さらに今後、宣言の期間延長や対象地域が拡大されれば、経済損失が五輪効果を上回る可能性もあるとの見方を示しました。
その一方で、「宣言は感染リスクの抑制には必要な措置であり、無観客開催とともに、東京五輪開催時の感染拡大のリスクを軽減する効果が一定程度期待される」としています。
宣言発令により、東京五輪は無観客での開催の可能性が高まっていることについても、木内氏は「無観客開催となる場合、チケット購入がなくなり、関連する消費支出が減少することで経済効果は、観客を全て受け入れる場合から1468億円分減少し、1兆6640億円になる」としました。
日本政府は、新型コロナウイルス感染が再拡大している東京都に、12日から8月22日まで4度目となる緊急事態宣言を発令することを正式決定したほか、沖縄県にすでに発令されている緊急事態宣言も、同日まで延長する予定です。
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