東京地裁が日産ゴーン事件のケリー被告に懲役2年を求刑「悪質性は高い」
9月 29, 2021 21:04 Asia/Tokyo
日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告の報酬を少なく開示した罪に問われているアメリカの実業家グレッグ・ケリー元代表取締役の裁判で、検察は「元会長の私欲をかなえるための犯行で悪質性は高い」として、懲役2年を求刑しました。
NHKによりますと、この事件で金融商品取引法違反に問われた日産元代表取締役グレッグ・ケリー被告(65)と法人としての日産の公判が29日水曜、東京地裁で行われました。
裁判で、ケリー元代表取締役は「元会長や幹部たちと共謀したことはなく、うその内容の有価証券報告書を提出したこともない」と無罪を主張している一方、日産は起訴された内容を認めています。
この裁判で検察は「元会長への未払いの報酬を別の名目で支払うため“裏報酬”の仕組みを考えていた。元会長の信頼の厚いケリー元代表取締役にしかできない役割だった」と述べました。
そのうえで「株主からの批判や失職を避けるために、高額な報酬の開示を避けつつ、報酬も減らしたくないという元会長の私欲をかなえるための犯行で、経営者を引き止めるために、会社として不正に手を染めるのは企業の在り方として論外だ。日産のガバナンスは完全に機能不全の状態だった。綿密に練り上げられた枠組みをもとに、組織的に長期間にわたって行われ悪質性は高い」とし、ケリー元代表取締役に懲役2年、日産に罰金2億円を求刑しました。
この裁判は10月27日に弁護側が最終弁論を行い、すべての審理が終わる予定です。
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