韓国で、岸田首相の着任に期待と不安が交錯
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岸田首相
日本で岸田文雄氏が首相に選出され政務を開始したことに伴い、韓国国内で様々な反応が出ています。
韓国・ヨンハプ通信によりますと、ムン・ジェイン大統領は１０日水曜、日本の第１０１代首相に指名された岸田文雄氏に祝賀の書簡を送り、韓日関係の発展のために共に努力しようとのメッセージを伝えました。
また同国大統領府のパク・ギョンミ報道官は、「政府は日本の新内閣（第２次岸田内閣）と共に意思疎通と協力の精神に基づき両国間の懸案はもちろん新型コロナウイルスや気候変動問題などグローバルな課題でも互いに知恵を出し合い解決のために努力することを期待している」とコメントしました。
これは、韓日両国間の懸案となっている強制徴用被害者と旧日本軍慰安婦被害者への賠償問題で平行線が続く中での、対話を続けようとのメッセージだと受け止められています。
韓国の保守系最大野党「国民の力」の大統領候補、ユン・ソギョル前検事総長は１１日木曜、自身のフェイスブックに「日本で岸田文雄首相が第１０１代首相に選出されたニュースを見て、キム・デジュン大統領を思い出した」として、「大統領になれば就任後直ちに韓日関係の改善に乗り出す」、「両国の政治指導者さえ決心すれば、キムデジュン・小渕時代に戻れる」、「韓国の現代史でその時ほど韓日関係が良かった時期がなかった」として、「懸案は容易ではないが、前向きにアプローチすればいくらでも解決できる」と強調しました。
一方、与党「共に民主党」の大統領候補、イ・ジェミョン前京畿道知事は今月１０日の討論会で、日本が竹島（韓国側呼称；独島）の領有権を主張していることに言及し、「（日本は）友好国なのか」と疑問を呈し、警戒心を示しています。
さらに産経新聞によりますと、韓国メディア全体としては、自民党の岸田文雄前政調会長が新総裁に選出されたことをトップニュースとして報じるとともに、２０１５年の日韓慰安婦合意当時の外相だったことを中心に岸田氏を紹介し、日韓関係の改善に向けては「期待と警戒」が交錯する反応を示しています。
ヨンハプ通信は、岸田氏が自民党内で「韓日関係を重視する『ハト派』に分類される」と紹介し現政権などに比べ、韓国側の専門家の分析として「（日韓）関係改善に向けてより誠意ある接近をする可能性がある」とする一方、「冷え込んだ両国関係に劇的な変化を期待するのは難しいとみられる」と結論付けています。
これに対し、朝鮮日報は岸田氏がアジア外交を重視する自民党派閥「宏池会」の系譜に連なると紹介し、「将来的に韓日関係の改善も期待できる」と報じました。
また中央日報は選挙戦前の世論調査で、岸田氏の支持率が河野太郎ワクチン担当相、石破茂元幹事長に次ぐ３位だった点に着目し「『国民が望む首相』ではなく、『国会議員が望む首相』が選ばれた」と評しています。
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