青森での米軍機燃料タンク投棄、2個目が山中で見つかる
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青森での米軍機燃料タンク投棄
青森県三沢市のアメリカ軍三沢基地に所属するF16戦闘機が11月30日、飛行中に燃料タンク2個を投棄し、このうち1個が住宅地の近くに落下したトラブルで、アメリカ軍が捜索した結果、12月2日午後、1個目が見つかった住宅地から数百メートル離れた山の中でもう1つの燃料タンクが見つかりました。
NHKによりますと、11月30日、青森空港に緊急着陸したアメリカ軍三沢基地のF16戦闘機は、着陸前に燃料タンク2個を投棄し、このうち1個が空港から南西におよそ65キロ離れた、青森県深浦町の住宅地の近くに落下しました。もう1個の燃料タンクをアメリカ軍が捜索したところ、2日午後、1個目が見つかった住宅地から数百メートル離れた同じ深浦町の山の中で、金属製の筒状の破片などが見つかりました。
これについて深浦町の吉田満町長は2日午後に会見を開き、東北防衛局から2個目の燃料タンクを発見した」と連絡があったことを明らかにしたうえで「1個目が町なかの道路沿い、2個目も山の中とはいえ学校などの公共施設がある地域で発見され、住民たちも困惑している。事故の原因究明や調査を終えるまで戦闘機の飛行は控えるべきだ」と述べました。
緊急着陸したF16戦闘機をめぐっては、アメリカ軍が三沢市に対し、訓練に向かう際、エンジンの油圧が下がり続けているという警告が出たため、燃料タンクを投棄したと説明していて、アメリカ軍が原因の究明を進めています。
一方、青森県三沢市のアメリカ軍三沢基地は、F16戦闘機が飛行中に燃料タンクを投棄して青森空港に緊急着陸したトラブルを受けて、F16戦闘機の飛行訓練を30日から見合わせていましたが、2日に再開しました。
三沢市によりますと、2日午後、アメリカ軍から「トラブルの分析を行い、機体の整備、点検を徹底し、安全が確認できたためF16の訓練を実施する」と連絡があったということです。今回のトラブルをめぐっては、三沢市の小桧山吉紀市長が1日、安全が確認されるまでF16の訓練を実施しないようアメリカ軍に申し入れたばかりでした。
今回のトラブルでは、共産党の志位委員長が強く抗議するとともに、警察の捜査が及ぶよう日米地位協定の改定が必要だという認識を示しました。
同氏は記者会見で「落下地点は最寄りの住宅から、わずか20メートルほどの距離だった。住人は一歩間違えれば家がつぶれて死んでいたと話している。深刻な重大事故を起こしたことに強く抗議したい」と述べ、そのうえで「日米地位協定の壁があり、こういう事故が起こっても、日本の警察の捜査が及ばない。日米地位協定の抜本改定を強く求めたい」と述べました。
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