IAEA調査団が訪日を延期、コロナ変異株拡大の影響で
IAEA国際原子力機関が、コロナ変異株の感染拡大の影響により、処理水の海洋放出の安全性の検証に向けた日本への調査団派遣の延期を決定しました。
NHKが6日月曜、報じたところによりますと、東京電力福島第一原子力発電所で増えるトリチウムなど放射性物質を含む処理水について、IAEAは、海に放出する場合の安全性の検証に向けた調査団の派遣を、来月以降に延期することを決めました。
IAEAは今回の延期の理由として、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスの影響で、日本の水際対策が強化されたことなどを挙げています。
日本政府は、福島第一原発で増え続けるトリチウムなどを含む処理水を、基準を下回る濃度に薄めたうえで、2023年春をめどに海への放出を始める方針で、これに伴い東京電力が新たに造る海底トンネルを通して1キロほど沖合から放出する計画を示しています。
これについてIAEAは、国際的な基準に照らして安全性を検証し、報告書をまとめる方針で、今月中旬にも専門家で作る調査団を日本に派遣する予定でした。
しかし、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大を防ぐ国の水際対策として、日本への外国人の新規入国が原則停止されたことなどから、調査団派遣の来月以降への延期を決めたということです。
一方、東京電力が実施した、人や環境への影響評価の聞き取りなど、一部についてはオンラインなどで始める予定で、資源エネルギー庁の原子力発電所事故収束対応室は「検証が円滑に進むよう対応したい」としています。
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