基地内での集団感染;在日米軍、出国時に検査せず
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在沖縄・米海兵隊キャンプ・ハンセン
在沖縄・米海兵隊キャンプ・ハンセンの新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)問題に関し、同基地を含む在日米軍が米国を出国する際、PCR検査を実施していなかったことが明らかになりました。
共同通信によりますと、日本政府は23日木曜、米海兵隊キャンプ・ハンセンで、223人が感染したクラスター問題に関し、同基地を含む在日米軍が米国を出国する際、PCR検査を実施していなかったと明らかにしています。
さらに、米軍が行動制限中、隔離された施設内において自由な行き来が可能だったことも判明したほか、駐沖縄アメリカ海兵隊が22日水曜にSNSに投稿した動画には、大勢の海兵隊員がマスクを着用せず屋内で行われた運動会に参加している様子が写っています。
沖縄県は、オミクロン株が複数の基地で広がっている恐れがあるとして危機感を募らせる中、日米間の感染対策の隔たりが浮き彫りになっています。
この問題について、松野博一官房長官は記者会見で「引き続き米側に対し、感染症拡大防止に向けて最大限の措置を一層徹底するように求めた」と述べました。
政府関係者によると、14日間としていた行動制限期間も守られていなかった可能性があり、米側に一層の制限徹底を求めたということです。
林芳正外相も22日水曜、キャンプ・ハンセンでの感染者発生部隊の検査未実施に関して、ラップ在日米軍司令官と電話会談し、強い遺憾の意を伝えるとともに、日米地位協定対象者が日本へ入国する際、出国前と入国時に検査を徹底するよう求めています。
また、「日本の措置と整合的とはいえない運用実態が明らかになった」と説明しました。
なお、林外相によりますと、ラップ司令官は林外相に対し「日本に入国する日米地位協定対象者全員に出国前検査を行わせる」と応じ、入国時の検査についても「追加的に何かできないか検討する」との考えを示したということです。
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