ベネズエラ大統領;「国連システムは『崩壊』」/ベネズエラの子どもは米の非人道的政策の犠牲者
(last modified Tue, 29 Apr 2025 10:32:27 GMT )
4月 29, 2025 19:32 Asia/Tokyo
  • 米の政策の犠牲となったベネズエラの子供とその両親
    米の政策の犠牲となったベネズエラの子供とその両親

ベネズエラ大統領が、「国連システムは米国における人権侵害に直面し崩壊した」と主張しました。

米国は、ベネズエラには米に不法入国した自国民を本国に送還させる義務があると表明しました。しかしこうした中で、ベネズエラは移民を犯罪者扱いしているとして、アメリカを非難しています。

【Parstoday国際】イルナー通信が29日火曜、報じたところによりますと、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は移民に対するアメリカの行動と対応方式をナチス・ドイツの行為に例え、「国連システムは米国における移民への広範な人権侵害に直面して崩壊した」と語りました。

また、「現在の国連の前身にあたる国際連盟という制度はヒトラー、ムッソリーニ、フランコ将軍の台頭とともに崩壊した。今我々が目にしているのは、子どもや幼児の権利がこのように蹂躙、侵害されているということだ」と強調しています。

さらに、帰国の飛行機に乗る前に母親と引き離された女児マイケルリス・エスピノサ(Maikerlys Espinoza)ちゃん(2)が不法に拘束されたことに対し、「この世に正義があるのなら、このようなことをした者は収監されるべきだ。こうした命令を出す輩はナチスに酷似している」と述べました。

そして「移民であるという理由だけで2歳の女児を母親から引き離し、さらに正当な証拠なしに犯罪組織の一員だなどと疑いをかけることは、あらゆる国際法に照らし犯罪となる」としています。

加えて「21世紀には覇権主義、植民地主義、帝国主義にとってもはや余地はない。それは、全ての人間が尊厳を持っているからだ」と語りました。

ベネズエラ人の2歳の少女、マイケルリス・エスピノサちゃんは、母親が単独で旅行せざるを得なくなり、米国に一人残されました。マイケルリスちゃんの母親 ヨーレリス(Yorelys Bernal Inciarte)さんと夫のマイケル・アレハンドロ・エスピノサ(Maiker Espinoza)氏は米国入国時に自主的に入国管理当局に出頭したにもかかわらず、入管局は母親から女児を引き離しました。さらに、女児の父親は他のベネズエラ人251人とともに、正当な手続きなしにエルサルバドルの刑務所に押送されています。

ベネズエラ外務省は声明で、「2歳児の『拉致』は米国による『移民の権利に対する多くの侵害の一つであり、国際基準、特に世界児童権利宣言や国連憲章に反する」ものだと表明しました。

去る3月14日、米国政府は1798年のいわゆる「敵性外国人法」を発動し、ベネズエラの犯罪組織トレン・デ・アラグアの構成員とされる者を起訴・逮捕し、国外追放してエルサルバドルの厳重警備刑務所に移送しました。

こうした中、米国際情報サイト・ブルームバーグが先週発表した分析によれば、米国がエルサルバドルで収監している200人以上のうち90%は米国での犯罪歴がないということです。

 

 


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