イスラエルの対イラン攻撃が裏目に出た理由とは?
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アメリカの外交専門誌フォーリン・ポリシーが記事の中で、先の12日間戦争でシオニスト政権イスラエルがイランに敗北した理由について論じました。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
7月 02, 2025 18:33 Asia/Tokyo
  • 対イスラエル戦勝の雄たけびを挙げるイランの若者ら
    対イスラエル戦勝の雄たけびを挙げるイランの若者ら

アメリカの外交専門誌フォーリン・ポリシーが記事の中で、先の12日間戦争でシオニスト政権イスラエルがイランに敗北した理由について論じました。

『フォーリン・ポリシー』は1日火曜、「イラン・イスラエル間の最近の戦争はイスラエルにとって逆の結果をもたらし、シオニスト政権は戦略目標を達成できなかった」と報じています。

【ParsToday国際】このアメリカの雑誌の記事は「この戦争は、イランの施設に対する秘密作戦や空爆を含むイスラエルの大規模な攻撃から始まったが、イランはすぐにイスラエルと米軍基地へのミサイル攻撃で応戦し、深刻な地域的緊張に発展した。このようにして、イランは敵対勢力に対し、自国国境外で事態をエスカレートさせる能力を有しているというメッセージを発信した」としています。

また「イスラエル当局者の発言とは逆に、イランの核計画への決定的な損害は報告されておらず、西側諸国の情報機関の評価によれば、この計画を開発するための主要施設は無傷であり、イスラエルは『イランの抑止力を弱める』という目標を達成していない」と付け加えました。

さらに「これらの攻撃を受けて、イラン議会はIAEA国際原子力機関との協力停止を承認し、核に関する曖昧な戦略に踏み切った。この戦略は、原子力関連の説明を拒否し、査察官の立ち入りを阻止してきたという、イスラエルが長年踏襲してきた姿勢と類似している」としています。

 

イランのミサイル能力

この米メディアの報道によれば、今回の攻撃による核分野の成果は未だ確定していないものの、イランのミサイル能力は明確化し、イランの弾道ミサイルは米国とイスラエルの防空網をかいくぐり、軍事基地、諜報本部、石油精製所、研究機関への攻撃に成功しました。

フォーリン・ポリシー誌はまた「イランの報復攻撃を受けて空港、特にイスラエル占領地のベン・グリオン空港は閉鎖された。そしてイスラエルは経済の流通が停止し、複数の推定によれば少なくとも5億ドル相当の米国製THAAD迎撃ミサイルを使用したと見られている。イスラエルの検閲機関がメディア報道を遮断したにもかかわらず、この戦争で4万1000件以上の賠償請求の届け出があった」と報じました。

スティーブ・バノン前米大統領首席戦略官も「イスラエルを救うためには戦争の停止が必要であり、イスラエルの防衛力は不十分である」と明言しています。トランプ米大統領もまた、イスラエルが甚大な被害を受けたことを認めました。

 

イランのナショナリズムの強化

フォーリン・ポリシーはさらに「イラン・イスラエル戦争はイラン国内で想定外の社会的影響を生み出し、西側諸国の期待とは逆に、政変や政権崩壊の火種となるどころか、ナショナリズム感情と挙国一致を強めた形となった。この戦争はイランの国内の安定をかく乱しなかったのみならず、国民の結束を強め、イスラエルの攻撃に対する怒りが芸術家からアスリート、宗教家、さらにはZ世代まで、さまざまな社会集団を含む広範な国民的動員につながった」と報じました。

この報道によれば、イラン国民はイスラエルの攻撃への反撃として、住む家を失った人々を温かく迎え入れ、それが彼らの社会的な責任感を強めたとされています。子ども、医師、そして民間人が殉教する映像を目にすることで、イラン国民の間では、戦争の目的は彼らの解放ではなく、祖国の破壊にあるという信念が強まりました。

フォーリン・ポリシー誌は結論として「イスラエルはこの戦争がイランの政権崩壊につながると見込んでいたが、結果は全く逆だった。つまりこの戦争イランを弱体化させるどころか、イスラエルの目的達成における弱点を露呈し、イラン国内の結束強化において効果的な役割を果たした」と結んでいます。

 

 


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