アメリカとの協議はなぜ無意味なのか?
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イラン政府当局者は常に、米国との協議・交渉が決着していない理由を数多く列挙してきました。
(last modified 2025-09-24T09:29:21+00:00 )
9月 24, 2025 18:26 Asia/Tokyo
  • 対イラン核合意離脱に署名したトランプ米大統領
    対イラン核合意離脱に署名したトランプ米大統領

イラン政府当局者は常に、米国との協議・交渉が決着していない理由を数多く列挙してきました。

イラン当局者は歴史的・イデオロギー的経験、そしてアメリカ側の行動分析に基づき、対米交渉が失敗に終わった理由を常に複数挙げるとともに、アメリカが覇権主義的なアプローチで交渉に臨み、公正な合意成立を求めずに自国の要求を押し付けようとしていると強調してきています。アメリカ当局者のこうした行動は、1979年のイスラム革命の原則の1つである「独立」と「圧政排斥」の原則に反するものです。

過去の経験、特にJCPOA包括的共同行動計画(通称;対イラン核合意)交渉における経験は、米国との協議では経済問題が解決されないだけでなく、米国当局がこれらの条件を悪用して対イラン制裁強化という非人道的な政策を推進していることを明確に示しています。こうした条件は、交渉という行為が米国にとって、相手方の譲歩なしに圧力を強化し、譲歩を引き出すための手段に過ぎないことを物語っているのです。このような交渉は奏功しないのみならず、有害でさえあります。

イランとの核協議中およびその終了後、米国当局は外交及び法的手段を用いて対イラン制裁を強化しました。多くのアナリストやイラン当局は、これらの行動を国際的な合意や協議という空間の濫用と見なしています。米国は2018年にJCPOAから正式に離脱したにもかかわらず、国連安保理決議2231のスナップバック・メカニズム(対イラン制裁再発動を可能にする仕組み)を用いて国連の対イラン制裁の再発動を試みました。

しかもアメリカは、様々な交渉において緊張緩和ではなく、交渉の材料としてイランの機関や個人に新たな制裁を課しました。こうした行動はイラン側に深刻な不信感を抱かせ、交渉プロセスに支障をきたす結果となっています。

イランがIAEA国際原子力機関と透明化に関する合意に達した際、米国とその同盟国はこれらの合意を無視してスナップバック・メカニズムを作動させました。イラン当局は、この行為を「欺瞞外交」及び「国際法の濫用」の一例とみなしています。

しかも、協議中にあっても米国は敵対的な対イラン姿勢を緩めることはなく、逆にホワイトハウス当局はあらゆる機会を捉えて、イランに対し追加制裁措置や経済制限を課してきました。ホワイトハウスがイランに対しこのような政策をとる一方で、イランはJCPOAにおける全ての責務を履行し、過去数年間にわたりIAEAとの協力関係においても全ての責務・約束事を履行したのに対し、相手側は自らの取り決め責務を一切遵守していなかったのです。

イランとの間接交渉でも、アメリカは相変わらず二重基準による対応を継続しました。外交原則と国際法に反して、去る6月の対イラン12日間戦争においてシオニスト政権イスラエルの攻撃に加担し、平和目的のイランの核施設を爆撃するという好戦的な行為に訴えたのは、他でもないこれらのホワイトハウス関係者でした。イラン当局者の観点からすれば、ホワイトハウスによるこの一連の敵対的行動は、違法な軍事侵略と国際法違反への共謀と積極的な関与のしるしと見なされます。

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、自尊心あるイラン国民が、ウラン濃縮という有用な技術の放棄を迫るという敵の圧力と脅迫に屈しなかった理由を説明し、「米国によって最初から結果が決定され、指示される交渉は有害無益である。なぜなら、それは抑圧的な敵に次の目標を押し付ける貪欲さを抱かせ、我々へのいかなる危害も防げないからである。名誉ある国民や賢明な政治家は、そのような交渉を受け入れない」と強調しています。

イラン政府当局の視点から見て、米国との交渉は実りがないだけでなく、有害でもあります。その理由としては、度重なる約束違反、手段としての交渉の利用、イスラエル政権の敵対行動への共謀、そして米国の政策に対する構造的な不信感が挙げられるのです。

 

 


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