シオニストがアクサー・モスクを組織的襲撃:歴史的な一線を超越
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シオニストがアクサー・モスクに組織的攻撃
ユダヤ教の祭典・ハヌカの祝祭と同時発生した、シオニスト政権イスラエルによるアクサー・モスクへの攻撃が、前例のない新たな段階に突入しました。それはユダヤ教の「タルムード(ユダヤ教の「口伝律法」と学者達の議論を書き留めた議論集)の儀式」を押し付ける段階を超えたもので、明らかにこの聖地の性質、機能、管理を変える方向に進んでいます。
ここ数日、「神殿集団」として知られる過激派グループは毎晩、イスラエル警察と公的機関の直接支援を受けて、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムにあるアクサー・モスクの中庭とその周辺に新たな現実を押し付けようと試みてきました。その現実は、時間的区分を超越し場所的区分へと向かう明らかな兆候を示しています。
パレスチナ情報センターによりますと、アクサー・モスクは今月21日夕方から22日の終わりにかけて、広範囲にわたる一連の攻撃に見舞われました。この間、過激派のシオニスト入植者らは「タルムードの儀式」を公然と実施し、儀式的な踊りや歌を披露し、象徴的な平伏動作を行い、ハヌカ祭のろうそくを繰り返し灯すなど、事実上あらゆる歴史的レッドライン(越えてはならない一線)を超えた行動に出ました。以前は厳しく規制されていたこれらの行為は、現在、治安部隊の全面的な支援を受けて行われています。これは、アクサー・モスクに対するイスラエル側の公式政策の変更を明確に示すメッセージとなっています。
ネタニヤフ・イスラエル首相は、シオニスト占領地駐在の米国大使の立会いのもと、アクサー・モスクの地下壁に繋がる「嘆きの壁(西壁)」のトンネル網で、ハヌカ祭のろうそくに火を灯しました。専門家はこの出来事を単なる象徴的な行為とは捉えず、ユダヤ教の儀式をアクサー・モスクの境内に段階的に移動させることへの政府、そして諸外国の承認と支持の表れだと評しています。
同時に、「神殿集団」は、警察を使って歴史的なカタニン市場を閉鎖し、その区域を自らの祝賀および宴会の場としました。この行為は、その地域の空間的および経済的な神聖を侵害したとともに、イスラムのアクサーモスク周辺でのユダヤ人の儀式的存在の通常化を目的とし、意図的に環境適応政策が追求されていることを示した形となっています。
2023年までアクサー・モスクで禁止されていた「テフィリン(聖句箱)」や「タリート(礼拝時の男性用ショール)」といったユダヤ教の祈りの祭具の持ち込みは今や常態化しており、禁止令は事実上無意味となっています。ハヌカ祝祭期間中だけで、少なくとも2779人のシオニスト入植者が、多数のシオニスト・ラビに付き添われてアクサー・モスクの中庭に足を踏み入れました。
聖地問題を研究するパレスチナ人のファフリ・アブ・ディアブ氏は、この動きを現状変更を狙った性急な行動だと評しました。ディアブ氏によれば、シオニスト政権は攻撃時間を延長し、タルムードの教えを全面的に押し付け、イスラム寄進局の役割を弱体化させることで、アクサー・モスクからイスラムの主権を奪い、その実務運営を過激派組織に委ねようとしています。ディアブ氏はまたこれらの行動を「アクサー・モスクに対する完全な宗教的、政治的、法的支配に向けた準備の明確な兆候である」として警告しました。
シオニスト政権による壊滅的な対ガザ戦争の終結後、イスラエルの政策の焦点は明らかに聖地とアクサー・モスクへと移行しています。イスラム教徒の礼拝者の入場制限、禁止令と国外追放命令の強化、そしてシオニスト警察をモスクの「絶対的占拠者」へと変貌させたことは、イスラムのアイデンティティの空洞化および、アクサー・モスクの「ユダヤの象徴」としての再定義という、一大戦略の一環であると考えられます。
聖地情勢を専門家とするジアド・アブハイス氏は、この段階を「任務を決定し、状況を最終決定する段階」だとしました。同氏の見解では、イスラエル高官による攻撃時間の延長と、モスクの一部を恒久的にユダヤ人に割り当てる可能性をめぐる公式な表明は、アクサー・モスクに対する戦争が散発的なものではなく、構造的かつエスカレートしていることを物語っています。この警告に対処しなければ、イスラム・パレスチナのアイデンティティの最も神聖な象徴の一つが不可逆的に変化する可能性があります。
2016年10月14日、ユネスコ国連教育科学文化機関は歴史に残る決議を採択し、アクサーモスクをイスラム教で最も神聖な場所の一つとして認定し、この場所とユダヤ教との歴史的、宗教的、文化的な関連性を否定しました。

