ジャウラニ暫定政権とゴラン高原地域の消滅;シリアの舞台裏で何が起きているのか?
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シリア暫定政権外務省が、占領下のゴラン高原を含まないシリアの新たな地図を初めて公表しました。
(last modified 2025-12-24T03:48:03+00:00 )
12月 24, 2025 12:47 Asia/Tokyo
  • トランプ米大統領(右)とシャラア・シリア暫定大統領(通称;ジャウラニ氏)の面会
    トランプ米大統領(右)とシャラア・シリア暫定大統領(通称;ジャウラニ氏)の面会

シリア暫定政権外務省が、占領下のゴラン高原を含まないシリアの新たな地図を初めて公表しました。

フランスの新聞ル・フィガロは「シリア外務省が初めて、占領地ゴラン高原を除いた国土の地図を公表」と題する記事を掲載しました。シリア外務省がこの行動をとったのは、同国政府がいわゆる「シーザー法(シリア市民保護法)」に基づく米国の対シリア制裁解除に満足の意を表明したのと同時期に当たります。

【ParsToday西アジア】ル・フィガロ紙はこの件の歴史的背景を踏まえ、シリアが1967年6月の戦争でのシオニスト政権イスラエルによるゴラン高原の占領、そして1981年の一方的な併合を決して承認しておらず、国連も決議497号によってこの併合を無効としていることを強調しました。

同紙によれば、ジャウラニ・シリア暫定政権は政策や方針の正式変更を発表していないにもかかわらず、この間接的な行動を通じてイスラエル政権の意向を考慮しており、シリア新政権によるこの動きはイスラエルに対するシリアの姿勢の変化の可能性を示す微妙な兆候だと考えられています。

フィガロ紙はまた「この動きをより広い政治的文脈で解釈し、現在のシリア政府が米国および、ネタニヤフ・イスラエル首相の親しい同盟者であるドナルド・トランプ米大統領の注目を引き付けようとしている」と報じています。

トランプ大統領は第1次政権中、国際法に反してゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認し、この問題に関して数十年も続いてきた米国の慎重な外交的合意を打ち砕きました。

占領下のゴラン高原を考慮しない公式のシリア地図の公表は、シリア関係者からの反発も招いており、彼らはそのような行為を非難しています。

クルド民族主義組織のPYD民主統一党は、占領下のゴラン高原を除いたシリア地図の公表という同国外務省の行為を最も強い言葉で非難し、これを「シリアの国家原則の一つに違反し、国際法および国際決議に反する危険かつ無責任な行為である」と表明しました。

同党は「ゴラン高原は土地、国民、アイデンティティの面でシリア領土の不可分な一部であり、政治、行政、メディアのいずれの勢力もイスラエルによる占領を無視したり、既成事実や二次的な問題とみなしたりする権利はない」と強調しています。

この声明はまた「発生した事実は単なる技術的なミスとみなすことはできず、国家の象徴を扱う前例のない危険な行為であり、国家の歴史の非常に重要な段階における主権問題への現在のアプローチについて正当な懸念を引き起こしている」としています。

有識者によれば、シオニスト政権の不正な樹立以来の数十年間の行動は、この政権がイデオロギー的アプローチあるいは政治的アプローチのいずれに基づくかを問わず、常に他国に対する拡張主義と軍事侵略を追求してきたことを物語っています。

 

 


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