岸田首相、核共有を議論しない方針をあらためて強調
3月 10, 2022 19:43 Asia/Tokyo
岸田首相は10日の参院予算委員会集中審議で、アメリカの核兵器を同盟国間で共有する「核共有」について、政府として議論しないとの方針を改めて表明しました。
ロイター通信によりますと、この日の質疑で、自民党の松川るい議員が民間シンクタンクなどによる核共有検討について首相に見解を求めました。
首相は核共有について「政府として非核三原則の存在や、原子力の平和利用を前提とした法体系の関係から議論することは考えていない」と述べました。
その一方で、一般論と断った上で、国の安全保障の在り方について、それぞれの時代の国際情勢を踏まえたさまざまな国民的議論が行われることはあるべきだとの考えを示しました。
日本国内における核共有についての議論は、ロシアによるウクライナ攻撃開始後の先月27日、安倍晋三元首相が民放のテレビ番組で「タブーとせず議論すべき」と述べ、口火を切りました。
その後、自民党内でも高市政調会長が前向きな姿勢を示したり、茂木幹事長が核共有がただちに非核三原則に反するわけではないとの見方を示したりするなど、にわかに議論が活発となりました。
また、野党からも日本維新の会が核共有の議論を政府に提言しています。
岸田首相はこうした議論が出てきた当初から、非核三原則を堅持し核共有を検討する考えはないと繰り返し表明しており、与野党からの「突き上げ」を政府が抑える格好となっています。
また、被爆者団体や平和団体も核共有についての議論を厳しく批判しています。
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