ニュージーランド研究機関などが日本で地熱発電事業
ニュージーランドの研究機関などが、日本で地熱発電の事業に着手します。
NHKによりますと、日本と比べ地熱発電の普及が進む、ニュージーランドの政府系研究機関や化学メーカーが、共同事業体を立ち上げ、日本で地熱発電の事業に乗り出すことになりました。
21日木曜は都内で共同事業体の設立の記念式典が開かれ、来日中のニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が「ニュージーランドは、過去10年で地熱発電量を2倍に増やしており、日本の地熱探査を支援する能力がある。両国にとって脱炭素社会に向けた具体的な一歩になる」とあいさつしています。
この共同事業体は、ニュージーランドの政府系研究機関と、化学メーカー「Geo40」が立ち上げたもので、今後はニュージーランド政府の支援も受けながら日本企業とも連携し、地熱発電の事業を進める予定です。
地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも発電量が時間帯や天候に左右されず、常に発電できるのがメリットです。
日本政府は2030年までに、地熱の発電量を現在の3倍に増やす目標を掲げており、今回の取り組みが国内での地熱発電の普及につながるか注目されます。
日本の経済産業省によりますと、火山の多い日本は、地熱の資源量がアメリカ、インドネシアに次ぎ、世界第3位の規模となっており、地熱発電はこのほかにフィリピン、メキシコ、イタリア、アイスランドといった、火山などの地熱資源が豊かな地域で普及が進んでいます。
なお、日本からニュージーランドに対しては、富士電機ホールディングスが2011年、1基の発電能力としては世界最大の出力 (140MW)となる地熱発電プラントをニュージーランドに納入し、運転を開始しています。
ニュージーランドは日本と同様プレート境界に位置する火山国で、政策として再生可能エネルギーに力を入れています。