岸田首相がベトナム首相と会談、ウクライナ主権や領土の一体性の遵守で一致
ベトナムを訪れている岸田首相が、同国のファム・ミン・チン首相との首脳会談に臨み、ウクライナ情勢について主権や領土の一体性の遵守で一致しました。
日本の報道各社によりますと、岸田首相はベトナムの首都ハノイで30日土曜、ファム・ミン・チン首相が開いた晩さん会に出席し、「ロシアによるウクライナ攻撃はヨーロッパのみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがしている」と指摘しました。
その上で、かつてのベトナム戦争などを念頭に「平和の尊さを身をもって感じているベトナムとの間で、地域と世界の平和と安定のために、ともに手を取り合っていけると確信している」と述べ、ロシアに対して連携して対応していくよう呼びかけています。
ベトナムはロシアとの関係が深く、最近では国連総会での対ロシア非難決議採決も棄権しています。
しかし、岸田首相は1日日曜のチン首相との会談で、「ウクライナ情勢に関して主権や領土の一体性が守られるべきであり、力による一方的な現状変更は容認できない」として見解が一致しました。
一方、チン首相はウクライナへの人道支援として、国際機関を通じて50万ドルを拠出すると表明しました。
なお、岸田首相はベトナムの前にインドネシアを訪問し、同国で今年11月に予定されているG20・主要20カ国地域のサミットにロシアの参加を許可するかどうかを巡り、インドネシアの首脳と交渉を行いました。
先にG20の一部加盟国は、ロシアがウクライナで進める特殊軍事作戦の関連でロシアをG20から追放するよう迫っていましたが、一部加盟国はこうした動きに反発しています。
岸田首相のインドネシア訪問の目的のひとつは、ロシアへの対応でインドネシア側の協力を得ることにあり、岸田首相は今回の外遊で、対ウクライナ支援・反ロシア措置に関して東南アジア諸国の協力をとりつけることを狙いとしていると見られます。

