世界が、サウジアラビアの反政府ジャーナリストの事件に関する説明を要請
サウジアラビアの反政府のジャーアナリスト、ジャマル・カショギ氏が、トルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館で殺害された可能性があるとの報道を受け、国際機関や各国が、この問題に関する回答をサウジアラビア政府に求めました。
IRIB通信によりますと、国連のドゥジャリク事務総長報道官は、8日月曜、カショギ氏がイスタンブールで殺害されたとの報道を受け、「国連は、この問題を注意深く見守っていく」と語りました。
言論と表現の自由に関する国連特別報告者、デービッド・ケイ氏は、8日、カショギ氏殺害の報道を受け、「この問題については、独立した国際的な調査を開始すべきだ」と述べました。
アメリカのクリス・マーフィー上院議員は、カショギ氏の死に関するサウジアラビアの回答と説明を求め、「サウジアラビアは、カショギ氏に何が起こったのかをできるだけ早く説明すべきだ」と述べました。
イギリスとフランスの外務省も、それぞれ声明の中で、カショギ氏の殺害に強い懸念を示すと共に、「この懸念すべき問題は、さまざまな手段によって完全に追求されるべきだ」としました。
欧州安全保障協力機構も、「サウジアラビアの反政府のジャーナリストがイスタンブールでサウジアラビアによって殺害された事件は、国際社会の威信を損なった。この犯罪の報道の事実が認められれば、ジャーナリストに対して前例のない犯罪が行われたことになる」と発表しました。
欧州委員会も声明の中で、「国際社会のすべての一員と同じように、サウジアラビアに対し、カショギ氏の行方に関する説明を求める」としました。
カナダ外務省のアダム・オースティン報道官は、カショギ氏の殺害に対し、「カナダ政府は、この報告を懸念しており、さらなる情報が得られるまで、積極的に問題を追求していく」と述べました。
カナダとサウジアラビアの関係は、8月、カナダ政府がサウジアラビアにおける人権活動家の大規模な逮捕を批判したことを受け、悪化しています。
国際人権団体アムネスティインターナショナル、国境なき記者団、ヒューマンライツウォッチも、これ以前にそれぞれ、カショギ氏の殺害を受け、サウジアラビア政府がカショギ氏の死を認めることは、法的手続きのない処刑と同様だとしました。
カショギ氏は、9日火曜、イスタンブールにあるサウジアラビア領事館に入った後、行方が分からなくなっています。
報道各社は、拷問を受け、切断されたカショギ氏の遺体がイスタンブールで発見されたと伝えました。
カショギ氏は、サウジアラビア政府に拘束されることを恐れ、サウジアラビア国外で暮らしていました。
トルコ政府の情報筋は、「トルコ警察は、サウジアラビアからイスタンブールに派遣された特別チームが、領事館でカショギ氏を殺害したと考えている」と語っています。
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