1月 31, 2016 20:48 Asia/Tokyo
  • シリア危機をめぐるジュネーブ協議の開始に対する反応ナジャフィー解説員

シリアのジャアファリー国連大使が、「シリア政府は、国内の危機の解決に向けた決意を固めている」と語りました。

ジャアファリー大使はスイス・ジュネーブで開かれたシリア問題をめぐる会議において、シリアの人々が団結と独立、国家主権の維持を求めていることを強調し、「シリア危機に関わっている一部の勢力は、テロ組織を支援し、これらの組織をテロ組織のリストに入れることに反対している」と語りました。また、「一部の関係勢力は、外国人テロリストを穏健派の反体制派と見なし、シリアにおける代理戦争を牛耳っている一方で、国連安保理決議によればテロ組織ISISやヌスラ戦線、およびこの2つのテロ組織とつながりのあるグループは、テロ組織のリストに加えられている」と述べています。

国連のデミストゥラ・シリア問題担当特使も、「ジュネーブ会議での優先事項は、安保理決議2254の実施である」とし、「反体制派に対しては、前提条件なしでジュネーブ協議に参加することが提案されている。その理由は、この協議の開催目的がシリアの人々の現状の改善にあるからだ」としました。

ジュネーブでの和平交渉においてシリア政府協議団の団長を務めるジャアファリー大使は、反体制派側の協議団には和平交渉に臨むための真剣さが欠けているとしました。ジャアファリー大使が率いるシリア協議団は、デミストゥラ特使と会談を行っています。ジャアファリー大使はこの会談の終了に当たって記者団に対し、改めて「シリアの反体制派は、協議のための真剣さがない」」とし、さらにシリアの団結と国家主権の維持の必要性を強調するとともに、「シリアの国運は、シリア国民によってのみ決定される」と強調しました。また、「シリア協議団は常に協議を実施する上での十分な真剣さを有している。だが、相手側には決して、我々ほどの真剣さは見られない」と語っています。ジャアファリー大使はまた、「テログループ側は、協議において反体制派とは区別されるべきであり、また協議のための前提条件の提示は一切回避されるべきだ」と強調しました。

シリアの政府専門家も、「ジュネーブ協議におけるサウジアラビアの妨害行為により、政治的な解決への道が遠のいている」と語りました。この専門家は30日土曜、シリアでサウジアラビアが自らの勢力圏内にある反対派の決定にが干渉していることを指摘し、「重要な点は、サウジアラビアがシリアの反体制派に対し、前提条件なしでの和平交渉への参加を許さないことにある。その一方で、このジュネーブ協議は国際的な点から前提条件に賛成していない」と述べています。さらに、「とにかく、シリア政府はプラスの見解をもってこの協議に参加しており、協議や政治的な方法による解決に全く異存がないことを、国際社会に理解させようとしている」と語りました。

さらに、シリア国会の国家安全保障委員会イブラーヒーム・アルマフムードの委員長も、「サウジアラビア在住のシリアの反体制派は、シリアの将来に関してサウジアラビアのサウード政権の命令に従っている」と述べています。アルマフムード委員長はまた、「シリア政府は、ジュネーブ3国際会議に、シリア国民の代表として参加しているが、反体制派の中には、サウジアラビアの支援を得て武器を手にしている人物がいる」と語りました。さらに、「本当の意味での反体制派は、体制とは対立していても、国家の利益となる立場については対立していない人々である」としています。アルマフムード委員長は最後に、「和平交渉が始まってすぐ合意が得られることは期待できない。それは、サウジアラビア政府から支持され、金銭的な支援を受けている反体制派は基本的に独立した立場になく、最終的な決定を下すのは彼らの主だからだ」と強調しました。

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