貿易政策に関する中国の新たな対米要求とは?
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中国がアメリカに対し、横暴な貿易政策を止めるよう求めました。
(last modified 2025-10-20T07:25:07+00:00 )
10月 19, 2025 13:28 Asia/Tokyo
  • 中国とアメリカの貿易戦争
    中国とアメリカの貿易戦争

中国がアメリカに対し、横暴な貿易政策を止めるよう求めました。

【ParsToday国際】WTO世界貿易機関の中国代表は、多国間貿易体制を弱体化させているとしてアメリカを非難するとともに、同国当局に対しこの国際機関の規則の遵守を要求しました。

WTO中国代表部の声明によりますと、中国はアメリカが多国間の取り決めへの違反や国際貿易体制の信頼性の毀損の要因であり、世界貿易の規範を歪めていると見なしています。

この声明が出されたのは、中国商務省による年次報告書の発表とほぼ同時期に当たります。この報告書は、WTO規範に対するアメリカの約束事に言及しているとともに、米国が横暴な貿易政策と産業政策上のダブルスタンダードにより多国間通商体制を損なっていると強調しています。これは、中国商務省が米国のWTOルール遵守状況を調査するために2023年以降に発表した3番目の報告書となります。

この年次報告書はまた、米国の通商方式がWTO規則に違反している11の主要分野を特定しており、その中には米国が「バイ・アメリカン」政策、国際的パートナーシップにおける差別的措置、輸出管理と制裁、投資プロファイリング、知的財産、関税賦課や関税以外の障壁、工業と農業への補助金などを通じて世界貿易システムを弱体化させているやり方が含まれています。

この報告書はまた、紛争解決メカニズムの回避、一方的な相互関税賦課、差別的な貿易措置など、米国の一連の行動を客観的に説明し、国際社会にアメリカの不正行為を認識させるものとなっています。

WTOの中国代表部による声明は、貿易分野での米中対立が激化する中で米国が多国間義務に違反し、国際通商システムの信頼性を損なう要因となっているとの認識を背景に発表されました。中国とアメリカは現在、大規模な通商戦争に突入しており、これは経済と世界貿易に重大な悪影響を及ぼしています。中国の王文濤(Wang Wentao)商務大臣は今月17日、同国北京で米アップル社のティム・クックCEOと会談した際、「わが国の対米貿易経済関係における最近の変動は主に、米国が中国に対してとった一連の制限措置によるものだ」と語りました。さらに「米国の行動は中国の利益を損ない、二国間貿易経済交渉の雰囲気を悪化させている」とコメントしています。

ドナルド・トランプ氏が2025年1月に米大統領に就任して以来、中国と米国は広範囲にわたる貿易戦争に巻き込まれています。トランプ氏は2025年1月に第2期政権に入って以来、再び中国との貿易対立に突入していますが、その規模は以前よりもはるかに大きいものです。トランプ政権が中国に対する新たな関税を発表して以来、両国間の緊張が高まっていました。しかし、トランプ大統領が今月4日、「希土類(レアアース)輸出に対して『極めて敵対的な』制限を課すという中国の動きを受け、アメリカは来たる11月1日から中国製品に100%の関税を課す」と発表したことを受け、米中間の貿易摩擦は再び激化した形となっています。

トランプ政権は数ヶ月前、世界の海運業界における中国の支配力を弱めて米国の造船産業を活性化させるため、中国関連船舶への高関税を課す計画を発表しました。実際に、米国は今月14日からの関税適用の開始を発表しており、またこれに対し中国も、同日より中国の港湾に寄港する米国関連船舶への特別関税の適用を正式に開始しています。

もっとも、中国の政府高官は米中関係にこうした暗雲が立ち込めているにもかかわらず、「米国の行動が中国の利益を損なっているものの、両国間の関係を分離・断絶することは論理的ではない」と警告しています。実際にこの点に関して、中国の王毅外相は、中米間の平和的共存を強調しました。王外相によれば、中国とアメリカの関係は「今日の世界で最も重要な二国間関係」であり、「両国関係の分離・断絶は論理的かつ現実的な選択肢ではない」ということです。王外相は「両国間の関係における正しいアプローチは、あくまでも平等、相互の利益と尊重に基づくものである」と強調しています。

 

 


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