米国経済|中流階級へのさらなる逼迫と労働市場の弱さの兆候の中で、金利引き下げが予測
-
アメリカで記録的な解雇と失業が蔓延
FRB米連邦準備制度理事会が、統計に見る雇用の弱さと景気減速への懸念を受けて今年3度目の利下げを承認する可能性が高くなっています。
北米経済は2025年もあと数週間となった昨今、複数の課題に直面しています。カナダ銀行が安定した金利政策を推進する一方で、FRBは労働市場の弱さと家計へのさらなるひっ迫という明確な兆候を受け、利下げに傾いています。この決定がなされたのは、FRB内の見解対立と長期的なインフレへの懸念が広がる中でのことです。
【ParsToday国際】この記事では、統計に見る雇用の弱さと米国経済の弱体化への懸念がもたらす影響を検証していきます。
利下げ:当初は不確実ながら、現在の予測では確実
アナリストの予測によれば、インフレへの懸念にもかかわらず、ジェローム・パウエルFRB議長は今週の会合で利下げを承認すると考えられています。特に、ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁が今後短期間での利下げの可能性について発言したことを受けて、このシナリオは金融市場において90%以上の確率で予測されています。こうした中、投資家らは、最近まではこの決定に対して懐疑的な見方をしていました。
労働市場の警鐘;民間部門の雇用が急激に減少
新たなデータからは、米国の労働市場の悪化が見て取れます。米国のビジネスサービスおよびデータ処理会社であるADP・オートマチック・データ・プロセシングの報告書によりますと、去る11月に民間部門は3万1000の雇用を失っており、これは2023年春以来最大の減少数です。この雇用減少傾向が、失業率の上昇を防ぐためFRBを介入に踏み切らせているのです。さらに、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの報告書によると、米国では新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、最多の解雇件数が記録されています。
中流階級の疲弊:好調なマクロ統計の舞台裏
アメリカ経済の底辺に位置する中流階級の購買力は、かつてないほど低下しています。2020年以降の約25%の累積インフレ、住宅価格の高騰、そしてコロナ禍における貯蓄の消失は、アメリカ国民の家計を大きく逼迫しています。より安価な商品の購買や副業の拡大の傾向からは、危機の深刻さが見て取れます。世論調査によれば、アメリカの中流階級世帯の44%が、昨年よりも経済状況が悪化していると認識しています。
今後の課題:長期的なインフレとFRB幹部指導者の交代
今回の利下げの実施は、インフレが依然として構造的な脅威となっている時期と重なりました。物価上昇が続いていることにより、インフレが緩和しているにもかかわらず、市民の購買力が低下しています。一方、ドナルド・トランプ米大統領は、間もなくパウエルFRB議長の後任を指名すると予想されており、その最有力候補はパウエル議長の忠実な経済顧問であるケビン・ハセットNEC国家経済会議委員長の可能性が高くなっています。このことから、FRBの独立性が損なわれ、政治的圧力を受けて利下げが加速しかねないという懸念が生じています。
結論として、FRBによる利下げ決定は、実際には労働市場からの警告サインと中流階級への圧力の高まりへの対応と言えます。しかし、この措置は景気後退の深刻化を防ぐことはできても、購買力の低下と長期的なインフレという構造的な危機の解決にはなりません。同時に、カナダ中央銀行は金利を据え置くと期待されていますが、このことは隣国同士であるアメリカとカナダの金融政策の方向性の違いを反映しています。今後数ヶ月間は、これらの決定が北米の経済の安定と家計の満足度にどう影響するかが焦点となると思われます。

