バイデン米大統領のイスラエル訪問、目新しい成果なし
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バイデン米大統領の西アジア歴訪は3日目が終わりました。訪問中の出来事や各発言からは、この歴訪が目新しい成果のないものであったことがうかがえます。
(last modified 2025-10-27T01:35:03+00:00 )
7月 16, 2022 11:56 Asia/Tokyo
  • バイデン米大統領のイスラエル訪問
    バイデン米大統領のイスラエル訪問

バイデン米大統領の西アジア歴訪は3日目が終わりました。訪問中の出来事や各発言からは、この歴訪が目新しい成果のないものであったことがうかがえます。

バイデン氏は13日水曜、シオニスト政権イスラエルの占領地に入りました。15日金曜にはベツレヘムを訪れ、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談し、その後、次の訪問国・サウジアラビアへ向かいました。

バイデン氏は16日土曜には、サウジアラビア・ジッダでペルシャ湾岸協力会議の加盟6カ国とエジプト、ヨルダン、イラクが参加する会議に出席する予定です。

今回のバイデン氏の歴訪では、これまでに5つの出来事がありました。1つ目はアメリカ、インド、UAEアラブ首長国連邦、シオニスト政権イスラエルがオンラインで参加した4者間食料安全保障会議です。

アメリカ、インド、UAEアラブ首長国連邦、シオニスト政権イスラエルがオンラインで参加した4者間食料安全保障会議

2つ目に、バイデン米大統領とイスラエルのラピド首相が「(聖地ベイトルモガッダス・)エルサレム共同宣言」に署名し、シオニスト政権と地域諸国のさらなる関係発展を強調しました。

3つ目は、バイデン氏がパレスチナ自治政府・アッバス議長との会談前に聖地ベイトルモガッダス東部の病院を訪れ、アメリカとして聖地にある各病院への財政支援を表明したことです。

バイデン米大統領とパレスチナ自治政府・アッバス議長

4つ目に、サウジアラビアがイスラエル機の自国領空通過を許可しました。

そして5つ目は、エジプトがティーラーン島とサナーフィール島の2島の領有権のサウジ側への譲渡で合意したことです。両島は1979年のエジプト・イスラエル間の和平協定の一部であるため、その領有権の移転を決定する主要な当事者はイスラエルです。

これらの出来事を分析すると、今回のバイデン氏の歴訪は、特に予想外のこれといった成果は上げていないことがわかります。イスラエルの目下の最重要課題は、間違いなくサウジアラビアとの関係正常化です。しかし、イスラエルはサウジとの関係正常化は、UAEとのアブラハム合意のようにはいかず、段階的なものになるとみています。一方でこれに先立ち、サウジ側はイスラエル機による自国の領空通過の受け入れを表明し、実施もしており、同国のムハンマド皇太子はシオニスト政権との関係発展を望んでいます。

ティーラーン島とサナーフィール島の領有権移譲も、バイデン氏の訪問前から確定していました。したがって、いくらバイデン氏がイスラエル機のサウジ領空通過許可を「歴史的」と評しても、このサウジの決定をバイデン氏訪問の成果とすることはできません。

米・イスラエル間の「エルサレム共同宣言」も、予想を超える成果とは言えず、イランに対する脅威にもなりません。米・イスラエル間の安保協力は常に存在してきたもので、両者の関係の一部となっています。この共同宣言は、西アジア地域の安保秩序に影響を与えるよりも、3年半で5回目の総選挙を実施するシオニスト政権や議会の崩壊につながる内輪の政治問題を覆い隠すものです。

これらの極めつけが、バイデン氏のジッダ会議出席ということになります。この会議は、ムハンマド皇太子が政治的孤立を解消し、自らの地位をバイデン氏に見せつけるための工作に過ぎません。

これらの出来事からわかるのは、大半のアナリストが考えているように、ロシアへの対抗が今回のバイデン氏訪問の下地になっているということです。バイデン氏は、サウジの特に石油をはじめとした地政学上の重要性を理解しており、同国に石油増産を約束させようと画策しています。もう一方では、イスラエルに加え、サウジのような一部アラブ諸国をも、対ロシア政策でアメリカ側に引き寄せようとしているのです。

 


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