英紙、「サウジには近代版奴隷制が存在」
12月 28, 2022 18:25 Asia/Tokyo
英紙タイムズが、「サウジアラビアでは、国際機関から警告を受けているにもかかわらず、近代版奴隷制が依然として存在している」と報じました。
タイムズ紙は、記事の中でサウジアラビアにおける近代版の奴隷制度、強制労働、権利侵害の存在を取り上げ、「サウジの人身売買業者の一部は、労働者を罰するために彼らを殴打し、1日わずか6ドルの賃金でほぼ24時間労働を強要している」としました。
続けて、「サウジで家事、農業、運転などの仕事に従事する約400万人の外国人労働者は、雇用主がパスポートを没収しているために未だに行動が制限されている」と説明しました。
この記事によれば、サウジでは、外国人労働者は何らかの形で雇用主の身元保証を受けなければならず、労働者の契約内容やビザの種類も雇用主側が決める権限を持っています。
サウジ政府は2021年、自国の戦略枠組み「サウジビジョン2030」において、このような労働者関連の制度を改革し、彼らに対して銀行口座開設、転職、許可のいらないサウジ出国といった権利を保証すると発表しました。しかしタイムズ紙によれば、これらの権利を実際に認められたのは、ガスや石油関連を中心とした民間部門の労働者に限られているということです。
一方、国連のIOM・国際移住機関も今年9月の報告において、2021年に世界では少なくとも5000万人が近代版の奴隷状態で生活しており、そのうち2800万人が強制労働の従事者、2200万人が強制結婚させられた者だとしています。
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