サウジの攻撃により、昨年だけでイエメン人3000以上が死傷
ある人権団体が、サウジアラビア主導アラブ連合軍のイエメン攻撃により、昨年だけでイエメン人3083人が死傷したことを明らかにしました。
イエメンのアルマシーラテレビによりますと、人権団体アイノルインサニヤは1日日曜、報告の中で、昨年のサウジ軍の対イエメン攻撃で、子供102人と女性27人を含むイエメン人643人が死亡した、としています。
また、昨年の攻撃で子供353人、女性97人を含む2440人も負傷したことも明らかにしています。
この報告によれば、この期間中さらに、イエメン国内の22ヶ所の発電所や発電機、多数の通信施設、貯水場、道路、橋、商業施設、石油輸送タンカーなどがアラブ連合軍軍の攻撃を受けています。
この人権団体はさらに、「サウジ軍は昨年、イエメンで14367件の住宅や大学、134のモスク、5ヶ所の観光施設、12の病院、64校の学校などを攻撃した」としています。
サウジアラビア、アメリカ、アラブ首長国連邦、および他の複数の国から成るアラブ連合軍は、2015年3月よりイエメンへの軍事侵攻を開始し、同国を完全に封鎖しました。
アラブ連合軍は、イエメンから数百万バレルの石油を盗み出しているだけでなく、同国へ燃料を運ぶ船舶の拿捕や入港妨害により、戦争で荒廃したこのアラブ圏最貧国に、石油製品、燃料、医薬品などの不足の危機を引き起こしています。
イエメン国民は、アラブ連合軍が勃発させた戦争により、世界最悪規模の人道危機に見舞われています。
国連によれば、イエメン総人口3000万人の約4分の3にあたる、子ども1200万人余りを含む2300万人以上が、8年目になろうとするイエメン戦争により人道支援を必要としています。
さらに同国では、200万人以上の子どもたちが栄養失調となっているほか、900万人の子どもを含む1700万人以上が、上水道、衛生、医療などが行き届いていないことにより苦しんでいます。