WFP事務局長が、国際社会にシリアへの投資要請
1月 28, 2023 20:19 Asia/Tokyo
WFP・国連世界食糧計画のビーズリー事務局長が、シリアの状況について警鐘を鳴らし、国際社会に同国への投資を求めました。
WFPのビーズリー事務局長は、自身6回目となるシリア訪問において、「シリアでの飢餓は、同国で内戦が始まった2011年以降で最悪の水準に達している」と警告しました。
続けて、「シリアは国内紛争が12年を超えて、広範なインフレのために惨憺たる経済状況となっている。同国通貨の価値はかつてないほどに下落し、対して食料品価格は上昇し続けている。シリア国内の1200万人はその日の食事を用意できず、290万人は飢餓寸前の状態にある。これはつまり、シリア国民のうち70%が家族に食料を確保できないということを意味している」と指摘しました。
そして、「もし私たちが、シリアでの人道危機解決に向けて努力しないなら、2015年に起きたようなヨーロッパへの大規模な難民流入が新たに起きるだろう。そのため我々は、この先の大惨事を防ぐために、シリアの人々の平和と安定が実現するよう、ともに協力するよう努めなければなたない」と警告しました。
シリアの保健医療は、2011年に現在の危機が始まる以前には、西アジアでも最も優れたシステムの1つとされていました。しかし、12年にわたるテロリストの残忍な攻撃やアメリカの圧政的制裁により、シリアの人々は医療を含めた多くの分野で問題を抱えることになりました。アメリカによるシリア産油地域の一部の占領や、同国が2020年に定めたシーザー法を含む西側の制裁は現在、シリア国民に大きな問題を作りだしています。
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