イラク・シーア派最高権威、「諸宗教の相互尊重と家族制度の威信は維持されるべき」
8月 03, 2023 17:37 Asia/Tokyo
イラクのシーア派最高権威者であるスィースターニー師が、ローマ・カトリック教の最高指導者であるフランシスコ教皇に宛てた書簡において、暴力の否定への取り組み、諸宗教の信徒の間における相互の権利尊重への注目、家族制度の維持を求めました。
イルナー通信によりますと、スィースターニー師は、フランシスコ教皇のイラク訪問とスィースターニー師との会談より2年が経つのに合わせて同教皇が送った書簡への返事において、「私は、万人によるこれらの暴虐の解消への注目、並びにさまざまな社会での正義と平和の確立に向けたできる限りの努力というこの役割が重要であると考えている」と綴りました。
その上で、「私は、多くの民族や社会集団が東西問わず世界各地で耐え忍んでいる、思想的迫害や宗教的蔑視の結果としての基本的自由の抑圧や社会公正の欠如という悲劇的状況に目を向けた上で、世界で抑圧されている人々を守るためにさらなる努力をすべきだという、貴殿の見解に共感している」としました。
また、「全能の神とその預言に対する信仰が持つ本質的役割と、人類が直面する大きな課題を乗り越えるために高い道徳的価値観を守ることをめぐり、以前に強調された事柄は、重要なものである」と指摘しました。
そして、「健全な精神的・道徳的側面を増やし、神が人類の本質に据えた通りに家族制度とその価値観を維持されることが急務である」と続けました。
フランシスコ教皇は2021年3月にイラクを訪問し、同国の聖地ナジャフにてスィースターニー師と約50分にわたり会談しています。