歴史の一葉;預言者ムハンマドの命日
今年の9月14日(イラン暦1402年シャフリーヴァル月23日)は、イスラムの預言者ムハンマドの命日であるイスラム暦1445年サファル月28日にあたります。
預言者ムハンマドは、イスラム暦11年サファル月28日(西暦632年5月28日)に63歳で逝去しました。
預言者ムハンマドがメッカで生まれたのは、メディナへの聖遷(ヒジュラ)を行う52年前のことです。
彼は幼い頃から、その誠実さや正しさでメッカの人々の耳目を集め、「アル・アミーン(信頼できる人)」と呼ばれていました。そして40歳の時に、人々を唯一神、公正、兄弟愛へ向かうよう呼びかけ、さらに民族・人種・階級からくる根拠のない特権を取り除く使命を至高の神より与えられて、預言者となりました。
預言者ムハンマドは、イスラム教が包括的かつ完全な宗教であることを、世界の人々に示しました。彼の逝去から十数世紀も過ぎた現在も、イスラム教は15億人以上の人々によって信奉され、その勢いには衰えが見えません。
預言者ムハンマドの人物像については、イスラム教徒、それ以外の宗教の信徒、さらには非宗教的な思想を持つ人々も、多くを語っています。
イギリスの歴史家であるスタンリー・レーンプールは預言者ムハンマドについて、著書『The speeches and table-talk ofthe prophet Mohammad』の中でイブン・サアドの『大伝記集』を引用しながら、次のように記しています:
「彼(=預言者ムハンマド)は、大きな想像力、精神性の極み、感情の洗練された繊細さを、天から与えられていた」「彼は人々にとって最も忠実な庇護者であり、話しをすれば、最も優しく、最も気さくな会話をした。彼を見た人々は、とたんに尊敬の念があふれ、彼のそばに来た人々は、誰でも彼を愛することになった。彼については皆が口をそろえて、『彼のような人を、後にも先にもを見たことがない』と語った」