ガザで発見された「集団墓地」について、何を知っていますか?
パレスチナ・ガザで数百人分の遺体が埋められた集団墓地が発見されたことは、国連関係者や専門家らの注目を集めました。
「集団墓地」という言葉に国際的な定義はありませんが、法医学の専門家らは、「多くの人々の遺骨が間隔もなく埋められた場所」と定義しています。
1. ガザで発見された集団墓地は140カ所
国際NGO・欧州地中海人権モニターのモハンマド・モガバト(MOHAMMAD MOGHABAT)法務部長は、シオニスト政権イスラエルのガザ攻撃が昨年10月7日に開始されてよりこれまでに、同地区で集団墓地が約140カ所発見されていることを明らかにしました。
2. ひとつの集団墓地に約400人の遺体
ガザのパレスチナ当局者は今年4月27日、ナーセル病院敷地内で発見されたひとつの集団墓地に392人の遺体が埋められていたと発表しました。
3. イスラエル軍使用の禁止武器により溶けていた遺体
欧州地中海人権モニターの報告によれば、シオニスト政権イスラエル軍はガザにおいて禁止されている燃料気化爆弾を使用し、そのためにパレスチナ人殉教者の遺体が溶けだしていました。
サーモバリック爆弾とも呼ばれる燃料気化爆弾は、空気中の酸素を使い広範囲を高温で燃焼する爆弾の一種です。
4. 国連事務総長がガザの集団墓地めぐり独立調査を要請
国連のグテーレス事務総長は今年4月30日、「数百人のパレスチナ人が亡くなり埋められた集団墓地について正確な状況を把握するため、法医学の専門知識のある独立した国際調査員に、これらの集団墓地への即時立ち入りを許可する必要がある」と述べました。
5. 集団墓地の発見めぐり国連安保理会合が開かれる
アルジェリアは今年5月5日、国連安全保障理事会に対し、ガザでの集団墓地発見に関する非公開会合の実施を要請しました。
6. パレスチナの人々の反応
パレスチナ自治政府報道事務局は、これらの集団墓地はシオニスト政権イスラエルの手によるものであり、その発見およびナーセル病院が置かれた総合的状況について、「卑劣な犯罪」だと断じました。
7. イスラエル政権の反応
イスラエル政権軍は声明で、パレスチナ人の遺体を自軍が埋めたという主張は「根拠がない」ものだとしながら、ナーセル病院のある地域での軍事作戦中、パレスチナ人が埋葬した遺体を、イスラエル人の捕虜や行方不明者を見つけるために「検分」したと説明しました。
8. イスラエル政権による遺体の一部窃盗疑惑
集団墓地の遺体の画像や映像は、両手をプラスチック製の紐で縛られる、拷問の痕跡がある、裂かれら腹が異常なやり方で縫合される、手術着を着たまま腕と足が切断されているなど、犠牲者が生きたまま埋められたことを物語っています。さらにイスラエル政権には、遺体の一部を盗んだ疑いもかけられています。
9. 負傷者や病人も埋められる
欧州地中海人権モニターは、ガザの自警団が集団墓地に埋められた遺体を調べたところ、その多くが死亡時に両手を縛られた状態であったことが判ったとしました。また、これらの人々の中には負傷者や病人も多く含まれていたことを示す証拠も見つかっているということです。
10. 重大な国際人権法違反を示す遺体の状況
国連人権事務所のラヴィナ・シャムダサニ報道官は、「これらの集団墓地で発見された遺体の一部は両手を縛られていた。これは、国際人権法の重大な違反があったことを示しており、さらなる調査が必要である」と述べています。