戦争拡大をもくろむイスラエル首相、 政権崩壊の阻止を工作
(last modified Thu, 22 Aug 2024 06:35:54 GMT )
8月 22, 2024 15:35 Asia/Tokyo
  • 戦争拡大をもくろむイスラエル首相、 政権崩壊の阻止を工作
    戦争拡大をもくろむイスラエル首相、 政権崩壊の阻止を工作

エフード・バラク元シオニスト政権イスラエル首相は、ネタニヤフ現首相率いる過激派内閣に対し、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスとの合意不成立を理由に批判を浴びせ、「ネタニヤフ氏はイスラエルを地域全体の戦争に巻き込もうとしている」と警告しています。

パールストゥディがカタール国営衛星通信アルジャジーラの報道として伝えたところによりますと、ガザでの停戦確立及び捕虜交換を目指すハマスとの合意成立をめぐり、イスラエル政府の内部対立が激化しています。つまり、極右派政党は合意に強く反対し、反ネタニヤフ派は捕虜交換のための合意を求めています。

これにより、バラク氏は最新の反ネタニヤフ的な立場表明の中で、現在の過激派内閣に対し、対ハマス合意にこぎつけられないその無力ぶりを批判し、「ネタニヤフ氏はイスラエルを地域全体の戦争に巻き込もうとしている中で、同時にガザの我々の捕虜の処刑を命じた」としています。

バラク氏は続けて、「ネタニヤフ氏はフィラデルフィア回廊の制御を強調しているが、これはイスラエルにとって全く政治的利益はない」と述べました。

こうした中、イスラエル首相府はこれに先立ち、「我々はガザ・エジプト境界のフィラデルフィア回廊の掌握を要求している。というのも、これはテロ組織の再武装を阻止するからだ」との声明を発表していました。

この回廊は、エジプトとパレスチナ・ガザの両国の国境の両側にある非武装地帯の一部です。

イスラエルの第13チャンネルも、イスラエル協議代表団とネタニヤフ氏が激しく対立していることを強調し、「協議団はネタニヤフ氏に対し、交渉決裂によりその再開は非常に困難になるであろうことを警告している」と報じました。このチャンネルはまた、「ネタニヤフ氏は政府側協議団に対し、交渉の成立または決裂は彼らに関係ないと告げている」とも報じています。

さらに同チャンネルは、「ブリンケン米国務長官はイスラエル占領地入りし、交渉の失敗がどのような結果をもたらすかについてネタニヤフ氏に説明する」と報じています。

こうした動向の一方で、イスラム抵抗運動ハマスは「ガザでの停戦提案に反対である。それはネタニヤフ氏が出す条件と完全に合致し、イスラエル政権にとって有利だからである」と表明しました。

ハマスはまた、「この提案は完全な戦争停止を要求していない」とした上で、「最近の交渉に関する仲介者の発言を聞いた後、ネタニヤフ氏が依然としてこの合意成立を妨害していることを再確認した」としています。

そしてハマスは最後に、「新しい提案はネタニヤフ氏の条件と一致しており、特に恒久的な停戦とガザからの包括的撤退への反対に現れている。イスラエルは相変わらずネツァリム地域、ラファ検問所、フィラデルフィア回廊の占領を続けている」と強調しました。

今月15日木曜と16日金曜には。カタール首都ドーハで同国および米とエジプトが参加してのガザ停戦に関する協議が開催されました。

しかし、この協議にハマスは参加せず、「新たな交渉ではなく以前の合意に集中すべきだ」と表明しています。

発表された表明によると、この協議は近くエジプト首都カイロで再開される予定です。これらの交渉は、ハニヤ・ハマス政治局長がテヘランで暗殺された後に行われました。イランは、このテロ行為が自らの行動を後悔させるほどの報復・反発をイスラエルにもたらすと宣言しています。専門家の見解では、アメリカとアラブ諸国は停戦がイランに報復を断念させることを望んでいます。

イスラエル当局は、ネタニヤフ氏は自らの政治的存続の救済のために戦争を終結させる意思がないと考えており、在カイロ・イラン利益代表部長も、「ネタニヤフ氏が均衡のとれた条件での停戦を受諾するなら、権力とは決別する必要がある」と述べているのです。

 


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