8月 28, 2024 14:45 Asia/Tokyo
  • イスラエル諜報機関・モサドのデビッド・バルネア長官
    イスラエル諜報機関・モサドのデビッド・バルネア長官

レバノンのイスラム抵抗組織・ヒズボッラーが、フアド・シュクル司令官暗殺への報復として、シオニスト政権イスラエルの占領地をミサイルと無人機で攻撃しました。

パールストゥデイによりますと、ヒズボッラーは同組織の上級司令官の一人であるシュクル氏の殉教を受けた報復作戦の第1弾を、成功裏に完遂しました。今回の攻撃では、イスラエル政権の軍事拠点と兵舎が標的にされたということです。

ヒズボッラーは声明で、次のように説明しました;

 

「殉教者たちの長、自由な者たちの導き手、献身・情愛・卓越の具現であるシーア派3代目イマーム・ホサインの殉教40日忌であるアルバインの日(=今月25日)、イスラエル政権による、偉大な司令官フアド・シュクル氏および複数の気高いレバノン人を殉教させた首都ベイルート南方の郊外への残虐な侵略行為をめぐり、イスラム抵抗運動の聖戦士たちはその最初の報復として、多数の無人機を用い、イスラエル政権占領地の深部にある、次に名を挙げる同政権の重要な軍事拠点へ空爆を実施した。聖戦士たちは同時に、同政権占領下のパレスチナ北部にある敵側の複数の基地、兵舎、防空システム・アイアンドームも、多数のミサイルで攻撃した」


声明はさらに、「諸作戦の完遂には時間がかかるが、当組織は現在、最高レベルの準備が整っている」と強調しました。

そして、「(当組織の)擁護力により、イスラエル政権の行うあらゆる侵略行為は、特に民間人に危害を加えた際には、厳しい処罰が与えられることになる」としました。
 

イスラエル政権の軍事拠点・兵舎11か所をミサイル320発で攻撃

ヒズボッラーの発表に基づけば、今回の作戦では、ミロン、ザトゥーンの各基地、ナフィ・ジフ、アル・ザオウラの各ミサイル発射台を含むイスラエル政権の軍事拠点・兵舎11か所に、ミサイル320発が撃ち込まれました。

同様に、この第1弾の攻撃では、イスラエル政権が占領するシリア・ゴラン高原にあるキラ、ヨアフの各兵舎およびナファ基地も標的とされました。

 

ヒズボッラーが作戦成功を発表

ヒズボッラーはこの作戦が成功裡であったとして、「すべての無人機は、決められた時間に決められた場所からさまざまなルートで攻撃目標に向かい、この作戦は成功のうちに完了した」と発表しました。

また、ヒズボッラー情報筋もレバノンのアルマヤディーン・テレビの取材に対し、「フアド・シュクル氏暗殺をめぐる当組織の報復は、完全な成功を収めた」と述べています。

 

攻撃を受け占領地ベングリオン空港も閉鎖

ヒズボッラーによる占領地への攻撃を受けて、イスラエル政権は占領地全域が今後少なくとも48時間は非常事態に入ると宣言し、ベングリオン空港も閉鎖されました。

イスラエル政権情報筋も、同空港の発着便が全便欠航となったと報じました。

イスラエル政権当局はまた、ナハリヤからリション・レツィオンにかけての地中海沿沿いビーチの閉鎖を命じました。

イスラエル政権軍報道官も、域内での戦闘に向けて制限地域を設け、レバノンとの境界付近から占領下に置くパレスチナ・グシュダンにかけての交通を禁止すると発表しました。

 

イスラエル政権内閣に広がる緊張

イスラエル・メディアはヒズボッラーの作戦後、イスラエル政権指導者らの間で意見の相違が広がっていると報じました。そして、同政権のネタニヤフ首相が閣僚や与党・リクード党所属議員へのインタビュー禁止を発表したとして、「ネタニヤフ首相が閣僚・リクード党議員に取材に応じないよう命じた通り、内閣およびリクード党内では、レバノンに対する先制攻撃をめぐる意見対立が広がっている」と強調しました。

イスラエル政権軍の予備役でかつて軍苦情担当係を務めていたイツハク・ブリック(Itzhak Brik)氏はこれに関連し、「軍の上級司令官たちは参謀長に対する信頼を失っており、彼が歴史に葬り去られるべきだと思っている」と述べました。

また、イスラエル政権議会・クネセトの議員で政党「新しい希望」の党首であるギドン・サール(Gideon Sa'ar)氏も、同政権内閣と軍の行動を批判し、「緊張の日時やレベルを決めているのは、我々ではなく敵の側だ」としました。

 

テルアビブで240の避難所が設置

ヒズボッラーの攻撃後、イスラエル紙ハアレツはテルアビブ市長の発言として、市内に240カ所のシオニスト入植者向け避難所が設けられたと伝えました。

ヒズボッラーのナスロッラー事務局長は、今回の作戦およびその成功について演説を行うことになっていますが、その一方で、ネタニヤフ首相は、このヒズボッラーの報復第1弾jを受けた声明の中で、今回の攻撃が影響を与えていないかのように見せようと、イスラエル政権軍がレバノン側から飛翔してきた数千発のミサイルを迎撃したと主張しました。

占領下にあるパレスチナ領土北部のシオニスト住民からの抗議に直面しているネタニヤフ首相はまた、彼らをなだめるために、「我々は住民が自宅に戻れるよう尽力している」と述べました。同首相のこのような努力の一方、イスラエルメディアは、「我々はネタニヤフ首相と治安当局に対し、体面を保てるよう、ナスロッラー事務局長が攻撃した場所を発表する前に、その対象となった重要拠点を自分から明らかにするよう勧める」としました。

イスラエルメディアはまた、ヒズボッラ―のミサイル攻撃に対する自軍の対応を批判し、「我々は本日早朝より、ベングリオンとテルアビブに向けて発射されたミサイルが迎撃されたと聞いているが、約320発のミサイルや数十機の無人機が飛翔したことについて、何か説明があっただろうか?」としました。

この件に関し、イスラエルのウェブサイト「Ynet」は、「本日ヒズボッラ―が攻撃した中には、モサドの拠点と8200の基地があるジャリルート地域が含まれていた」と伝えています。

 


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