9月 03, 2024 17:26 Asia/Tokyo
  • アフガニスタンでアルカイダが再び活発化 米は黙認
    アフガニスタンでアルカイダが再び活発化 米は黙認

元米海軍幹部のダグ・リバモア氏は、アフガニスタンでテロ組織の活動が再び活発化していることについて、あらゆる国際組織が注視・警告していると語りました。

【ParsToday西アジア】米外交誌フォーリン・ポリシーは、アフガニスタンで2021年にタリバン政権が復活して以降、同国内でアルカイダなどのテロ組織の活動が活発化していると報じました。その理由は、タリバンがそうしたテロ組織の掃討に本腰を入れていないからだとしています。同誌は、アルカイダが今年だけでアフガニスタン国内に新たに9つの拠点を設置したとしています。こうした論理は、テロ組織活発化の責任をタリバンに負わせるものです。

イランの国際政治学者アミール・ファルジャード氏は、「(2020年に米国とタリバンが結んだ)ドーハ合意でタリバンはアフガニスタン国内のテロ組織を取り締まることになった。もっとも、それは米国にとって危険な活動をしないようにという意味だが、タリバン政権下であれば各テロ組織の活動も米国にとっては懸念がなくなった」と解説します。

アフガニスタンの情報筋によると、タリバン政権はアルカイダに対して、北東部にあるパンジシール渓谷の中心部に軍拠点や弾薬庫を設置する許可を与えました。こうしたタリバンのなし崩し的な姿勢は、アルカイダやISIS傘下のダーイシュ・ホラーサーン、パキスタン・タリバン運動などといった各テロ組織の活動を活発化させることになりました。

タリバン政権復帰前の旧アフガニスタン政権下では、21のテロ組織が確認されており、それらが政権崩壊後のこの3年で勢いを増しています。

元米海軍幹部のダグ・リバモア氏は、アフガニスタンでテロ組織の活動が再び活発化していることについて、あらゆる国際組織が注視・警告していると語りました。また、国連もアルカイダがアフガニスタン全34州のうち少なくとも10州でキャンプや訓練拠点を設置しているとみています。このことは、かねてから指摘されてきたとおり、アルカイダがアフガニスタン国外から要員を勧誘し、訓練していることを意味します。

実際にそうした現場からの詳細な報告は入ってきていませんが、西側諸国の機関から公表されている報告には懸念すべき内容が書かれています。

米国がこの問題に無関心でいることは、2021年の軍撤退によりアフガニスタンをテロ組織の巣窟にし、中央アジア一帯そして中国国境までを不安定化させることを目論んでいるという各専門家の見方を裏付けています。

米国はアフガニスタン国内のテロ組織については詳細な情報を把握していますが、自らに危険が及ばない限りは、その活動を黙認しているのです。
 

 


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